第20回(5/29) 〜夏の体験 前編〜   毎週月曜更新
なみ「今日もいい天気だね〜」
アキラ「本間やな〜。なんやかんやゆうてもうすぐ6月やもんな〜。どうや?今日の夜、近くの河原でバーベーキューせえへんか!?」
おさむ「賛成!!僕もちょうどしたいと思ってたんだ〜。道具は倉庫にあるし・・。」
なみ「お肉も冷蔵庫にあるわよ。あと、カエルマートでたれを買えばOK!じゃあ、なみが買ってくるからアキラとおさむは道具を運んで待ってて。」
アキラ「了解〜!ほな用意して行くわ。うん、待てよ・・。カエルマートってビールおいてなかったはず・・・。」
なみ「あ、そうだね・・・・。わかったわ、じゃあ、ビールもどこかで買ってくるね。サッポロカエルラベルでいいでしょ。」
アキラ「ええわ、ええわ、カエル酒店は反対方向やろ。おいらが買ってくるわ。ほな悪いけどおさむ一人で道具持っていってくれへんか・・?」
おさむ「わかった。いいよ〜別に重くないし・・。じゃあ、用意して行くから、河原に集合ね・・。」
アキラ&なみ「了解!」
・・・河原・・・・
おさむ「あれ〜誰も来てないや・・・。まあ、仕方ないか・・・・・。じゃあ、炭を準備しておこうかな。フフフ・・・早く食べたいな〜。うん?何だこれは??うわ〜きれいな指輪・・ラッキーいいものひろちゃった・・。なみちゃんにあげたら喜ぶだろな〜。早く来ないかな・・・。」
・・・1時間後・・・・
おさむ「遅いな〜2匹ともなにしてるんだろ・・・。いつも待たされるのは僕なんだから・・参っちゃうよ・・。あの2匹は普通の会社では絶対やっていけないね・・まったく・・・。そういえば、あのカエルもさっきからずっと一匹で誰かを待ってるような気がする・・。しかも女の子・・・。ああ、アキラなら間違いなくナンパするんだろな・・アキラの性格がうらやましい・・。でも、この前アキラに連れていってもらったナンパで多少は度胸が付いた気がする・・。ちょっと話しかけてみようかな・・。いいよね、ちょっとくらい。別にナンパじゃないんだし・・・・・・。」
・・・ダダダダダ・・・・・
おさむ「あの〜さっきから誰か待っているんですか?僕も友達がこなくて・・ハハハハハ・・」
礼子「・・・・ええ、そうなの。恋人を待ってるんだけど・・こなくて・・・。」
おさむ「そうなんだ・・・僕おさむ。お互い似た境遇だね・・・。ちょっと違うかな・・ハハハ・・・・」
礼子「フフフ・・おさむさんておもしろいのね・・・・私は礼子・・よろしく。」
おさむ「礼子さんか〜。早く恋人が来るといいのにね・・・。・・・・・・・・・。僕たちいまからバーベキューをするんだ・・。もし、よかったら一緒にしない・・?万が一彼がこなかったらね。あくまでも万が一だよ万が一・・・いや億が一にね・・。」
礼子「アハハハハ・・・おさむさんておもしろ〜い。私最近落ち込んでいたから、こんな笑うの久しぶり・・・フフフフフ・・・・アハハハ・・。」
おさむ「いや〜そんなことないよ・・。僕の友達でアキラっていうのがいるんだけどもっとおもろいよ〜。もうすぐ来るから・・。でも、手が早いから気をつけてね・・。」
礼子「アハハハハ・・・。そうなんだ・・。じゃあ、気をつけなくっちゃね〜アハハハ・・・。・・・・・・・・・・・。」
おさむ「大丈夫だよ、彼きっとすぐに来るよ・・。」
礼子「ありがと、おさむさん。・・・。なんか、おさむさんと話してるとすごく心が落ち着くね・・・。私の彼もおさむさんみたいに優しかったらな〜。」
おさむ「僕も礼子さんみたいな彼女が欲しいよ・・・・。な〜んて。」
礼子「アハハハハ・・・アハハハ・・。じゃあ、お互い両思いだね・・・。アハハハハ・・・。・・・・・・・・・・。ありがと・・。あ〜あ、彼今日はこないみたい・・・帰ろっかな・・・。」
おさむ「え、帰っちゃうの?一緒にバーベキューしようよ・・・。まだ、そんない暗くないし、帰りは送っていくからさ・・・。」
礼子「フフフ・・ありがと。でも、ごめんね・・・じゃあ、明日もう一度会わない?同じ時間のこの場所で・・。」
おさむ「え?でもそんなことしたら、彼、怒ると思うよ・・・。」
礼子「大丈夫・・・おさむさん忙しいの?」
おさむ「全然暇だけど・・・。」
礼子「じゃあ、明日ね・・・バイバイ・・。」
・・ダダダダダ・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
アキラ「おい、おさむ!どこいっとたんや〜。電話しても家におらんし、1時間以上も遅刻やで〜。腹減って死にそうやわ〜・・・まあ、ええわ、はよやろやろ!」
なみ「道具でも見つからなかったの?うん・・おさむ、どうかしたの?そんなビックリした顔しちゃって?」
おさむ「あれ?いつきたの?僕ずっとこの場所で待ってたんだよ・・・。遅かったのはそっちの方だよ!」
なみ「もう?なに言ってるの・・(笑)。まあいいや・・・早くしようよ・・。」
おさむ「あれ?僕・・僕・・今僕ここでずっと女の子としゃべっていたんだよね・・・?」
なみ「もう、なにブツブツいってるの?ホラ早く火をおこしておこして。なみは野菜を切るから。フフフフ〜ン♪」
おさむ「あれ〜?おかしいな〜。まあ、いいや〜・・・明日も会えるんだし・・・。」
アキラ「お〜い、おさむ〜そこの新聞紙とってくれ〜。」
おさむ「ラジャー!」
・・・・次の日の午後・・・・
なみ「あ〜、昨日はちょっと食べ過ぎちゃった・・・胃が痛い・・・あれ?おさむ、どこか行くの?」
おさむ「え、う、うん、、ちょ、ちょっと近くの本屋にね・・・・。」
なみ「あら、そう。気をつけてね。いってらっしゃ〜い。」(つづく)

第21回(6/5) 〜夏の体験 後編〜   毎週月曜更新
おさむ「ああ・・・すっごくドキドキしてきちゃった。でも、彼がいるんだし・・・・あれ?僕どうして会いに行っているのかな・・・・・?まあ、いいや〜。」
・・・河原・・・・
おさむ「ちょっと、早く来すぎちゃったかな・・・。そうだ、今の間に・・・・よいしょっと・・・昨日の晩に話すことをメモしてきたんだ〜。これを覚えなくっちゃ。ええっと、まずは1.趣味は何ですか? 2.最近見た映画は? 3.・・・・」
・・・30分経過・・・
おさむ「よし、これで何とか大丈夫かな・・。でも、まだ心配だな・・・。うん?そういえばあのカエルさっきからずっと何かを探してるな〜。どうしたんだろ?」
・・・ダダダダダ・・・・
おさむ「あの〜・・・何かお探しものですか?」
男A「・・・・。ああ、大切なものをね・・・・・。」
おさむ「よければ手伝いします・・・。僕も友達を待ってるんだけど、ちょっと早く来すぎちゃったから暇で・・・・(笑)」
男A「・・・ありがとう・・・。しかし・・・。」
おさむ「別にいいですよ。ホント気にしないで下さい。」
男A「そうかい・・。実は、指輪を探しているんだ・・とても大切なもので、あれがないと会いたいカエルにも会えなくて・・・・・・・・。」
おさむ「指輪ですか?・・・うん・・・?指輪・・・?もしかしてこれですか??」
男A「そ、それは!!それをどこで!?」
おさむ「昨日偶然拾ったんです・・・。あまりにもきれいものだったので・・・ごめんなさい・・・・。」
男A「いや、謝るなんてとんでもない・・本当にありがとう。僕はそれを10年間探していたんだ・・・。これで礼子に会える・・・・・・。」
おさむ「???10年間・・・・礼子・・・・?」
男A「い、いや、何でもない、こっちの話だ。本当にありがとう。なんと言っていいかわからない・・・僕に何ができるだろ・・・・?」
おさむ「お礼だなんて、とんでもない・・・。でも、ちょっとお伺いしたんですが、もしかして礼子さんの彼ですか?」
男A「きみ、礼子を知っているのか・・・・・・・?彼女にはずいぶん悪いことをした・・・・。でも、今日で全てが上手くいく・・・全てが・・。何もかも君のおかげだ・・。ありがとう・・・。」
おさむ「と、とんでもないです・・。礼子さんちょっと寂しがってたから、早く行って上げて下さい。多分、もうすぐ・・ほらあそこにベンチが見えるでしょ・・・あの辺りに来る気がします・・・。」
男A「どうしてそれを・・・・・・?君も、この世のカエルではないのかい・・・・?」
おさむ「・・・・・・・・この世?????」
男A「いや、何でもない・・・。とにかくありがとう。それじゃ・・・。」
・・・・・ダダダダダ・・・・・
おさむ「なんか、不思議なカエルだったな・・・でも、礼子さんよかった〜。これで、礼子さんの笑顔も戻るよね・・きっと。じゃあ、僕は帰るとするかな・・・。」
・・・帰り道・・・・
おさむ「それにしても、なんか礼子さんといい、礼子さんの彼といい、不思議なオーラがただよってたな〜。考えすぎかな・・・・でも、10年間指輪を探していたとか・・・。まさかね〜・・・聞き間違えかな・・・。きっとそうだね・・う〜ん、ま、いいや・・。しかし、あの彼男前だったな〜そりゃ礼子さんも惚れちゃうよ・・。紳士的だったし、背も高いし・・・。僕もあれくらい、ダンディーになれたらな・・・。外見はともかく、中身だけでも、近づけるようにがんばらなくっちゃ・・・・・・・・・。」
車「あぶなーーーい!!」
・・・・・キキキキキキ・・・・・ガッシャーン・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
おさむ「あいたたたたたた・・・。な、なにが起こったんだ・・・・。あ〜あ、お気に入りのズボンが破けちゃったよ〜。まったく・・今日はついてないな〜。うん?何でこんなに暗いんだ・・・?まだ、4時前だよね・・・・・。ヨイショッ・・・う、い、痛い、痛い、足が痛い・・・。な、なに・・・。た、立てない・・・。誰か・・。誰か・・。」
・・・おーーい・・・
おさむ「うん?誰かいるの・・・?」
・・・・こっちへこーい・・・
おさむ「なんだ、あの光、あの光を見ると痛みが和らいでいく・・。とりあえず、あの光目指して行こう・・・。ヨイッショ・・・。・・・・・。うわ〜、よく見るといっぱいカエルがいるな〜。いったいどこなんだろ・・・まあ、いいや・・考えるのも疲れた・・・・。それにしても、なんて心地よい光なんだろ・・・。」
礼子「おさむさん?おさむさんじゃない?ねえ、そうでしょ!おさむさん、私礼子・・・。」
おさむ「礼子ちゃん?やあ!彼氏に会えてよかったね。二人はベストカップルだね〜ヨ!お似合い!」
男A「ど、どうしてここに・・。こっちは、君の来るところじゃない!君の行くところは、あっちだ・・・。」
おさむ「え、どうして、こっちに来るとね、とっても気持ちがいいんだ〜。全て嫌なことが忘れて、気持ちがワクワクするんだ・・・。僕も一緒に行く。」
男A「だめだ、こっちは君の来るところじゃない!僕たちは分け合って、二人でここに来た・・・。僕たちは僕たちでこっちへ来ることを選んだ・・・。でも、君は違う!君は違う!まだまだやらなければいけないことがあるはずだ・・。礼子に聞くと君はとても優しく人を和ます力があるらしいね・・。」
おさむ「と、とんでもない・・・。僕なんて、ちっぽけで、度胸がなくて、どうしようもないカエルだよ。ちょっとしたことですぐに落ち込んじゃったりして・・・。あなたみたいになりたいよ・・。」
男A「・・・・僕も君と同じコンプレックスをもっていた・・・。でも、いまは違う・・。礼子が僕の全てを変えてくれたんだ・・。僕は、君は変われると思う・・・むしろ、今変わろうとしてる・・・。あとは、素敵な、自分の全てを賭けてもいいというカエルに巡り会うだけだ・・・。きっと、君ならできる・・・。君なら・・・。まだ、君にはたくさんやるべき事がある・・・・・・・・たくさん・・・・・。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
なみ「おさむ、おさむ、気が付いた・・・?おさむ、先生おさむが・・・・うわ〜ん・・・・」
おさむ「あ、あれ、なみちゃんにアキラ・・・ここは・・・?」
なみ「わ〜ん、わ〜ん、ヒック・・ヒック・・。」
アキラ「おい、なに心配さっしょんや〜。ホンマに!・・・グスッ・・・」
医者「よし、もう一度検査するから、2匹とも外で・・・な〜に、意識が戻ったからもう心配はない。では、オペの準備を・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・がんばって・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
おさむ「うん、ありがと、礼子さん・・・・・・・とにかく今は眠いや・・・・・・・・」(つづく)

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