第60回(3/26) 〜春の恋 1〜   毎週月曜更新

アキラ「よしできた!聞いてくれ!うっうん・・・”冬去りて〜土の中から恋の音・・・”。」
なみ「う〜ん・・・いいね〜。でも、そうね〜・・・冬って言葉が入ると、ちょっと暗くなっちゃうから、今は、使わない方がいいかな・・・。」
アキラ「やっぱりそうか・・・。いや、おいらもそう思ったんやけどな。ええ言葉が思いつかんかったんや。」
なみ「ふむふむ・・・悪くないから・・・70点!ハイ!次おさむ!」
おさむ「よし!いくよ!・・・・”風吹きて〜春の匂いに・・・恋ごころ・・・”。」
なみ「あ!すっごくいいじゃない、おさむ!春の匂いに恋心か・・・う〜ん・・新しい何かが春と一緒にやってくる!って感じがよく出てるよ!よくできました!90点!」
アキラ「なぬ!」
おさむ「ワ〜イ!アキラに勝ったの今回が初めてだね〜。うれしいな〜。」
なみ「はい、お疲れさまでした。じゃあ、これで恒例の俳句大会を終わります・・礼!」
アキラ・おさむ・なみ「ありがとうございました〜。」
なみ「じゃあ、なみは夕飯の支度をしなくちゃね。今日は、ハンバーグだから〜。」
・・・ダダダダダ・・・
アキラ「おさむの気持ち、よ〜うわかった・・・。」
おさむ「えっ?何の気持ち?」
アキラ「やっぱ春やしな・・・本能には勝てへんわな。」
おさむ「いやいや、だから何がってば?」
アキラ「そんなんやったらおいらにもゆってくれたらええのに・・・。」
おさむ「だから何が!?」
アキラ「決まっとるやろ、女や女・・・。」
おさむ「え・・・別に・・・。」
アキラ「だから、目を伏せるなって・・・。あんな見事な俳句そうそう読めるもんちゃう・・・。あれには魂が籠もっとった!うむ、まあ、春やし、気持ちもオープンになる。もちろん、女の子もそうや。みんながウキウキする・・・それが春っちゅうもんや・・・。」
おさむ「だから・・・彼女は欲しいと思うけど、それほどには・・・。」
アキラ「ウソつけって!まあまあ、そんな真剣に考えるなって・・・。気楽に気楽に・・・。ということで、あさってコンパ入れとくわ。いや〜楽しみやな〜。グフフフフフ・・。」
おさむ「もうそんなのいいってば・・・本当に・・・。」
アキラ「いやいや、そろそろメル友の子とも一回会わなあかん時期なんや。心配するなって・・・。」
おさむ「僕嫌だよ・・・。だいたいコンパって楽しくないじゃん。」
アキラ「なんで!?」
おさむ「だってコンパってさ、ほんの1,2時間会ってワイワイやって、好きだの嫌いだの決めるんでしょ。そんなんじゃ、中身までわかるわけないじゃん。それに、みんな可愛い子ばっかり、男だったらかっこいい奴ばっかりが楽しげでさ・・・。外見だけでカエルを決めるような場には僕は行きたくないんだ。」
アキラ「なるほど・・・そりゃごもっともや!おさむは正しい。そやな、ハッキリ言ってあんなん外面だけで判断する場かもしらん・・・。カエルの本性というか汚い部分が丸出しになる場やわな。でもな、そういう場やからこそ、原石っちゅうもんが見つかるんや。」
おさむ「どうして・・・?」
アキラ「さっきもゆうたけど、コンパゆうたらカエル関係の縮図や。その中でようカエルを観察しとってみ。ある奴は可愛いカエルの気を必死で引こうとがんばっとる・・ある奴は、愛想笑いばっかり、また他の奴は、2人だけで盛り上がっとる・・・他には、同性通しだけで盛り上がっとる・・・。まあ、いろんなカエルがおるわな。そこでや、しょーもない奴は単に顔がええ奴しか話さん・・・。そいう奴はここでカットできるやろ。他には、妙にウソばっかりついて自分を大きくみせよる奴・・・。ちょこちょこっと突っ込んだ事ゆったったら答えられん・・・ようわ知ったかぶりやな。そんな奴もカットできるやろ。同性通しで盛り上がる奴は最低やはな〜。場を理解してない、減点やな。こんなこと言う奴もあかん、私人数の埋め合わせで来ただけだから・・・って目茶しらけとる奴・・。来たからには、場にとけ込む、盛り上げるっちゅう責任があるんや!しかも、そんな奴に限って密かに何かあるかも・・・って期待しとる・・・。ほんで、逆に原石の見つけ方っちゅうは、密かに気が利いとる奴・・・例えば、誰とでも分け隔てなくしゃべったり、適当にコップとか下げたり、気分悪そうな奴がおったらさりげなく助けたる奴等々・・・。まあ、コンパっちゅうんはいろいろとカエルを見るっちゅう点で非常に勉強になる!そら、おさむはあんまり他のカエルとしゃべるん苦手かもしらん・・・。まあ、無理に克服しろともいわんけど、やっぱり最低限しゃべれるようにはしとかなあかんで・・・。なんも難しいないんや・・・俺は苦手や、何しゃべったらええかわからん、手が震える、緊張する・・・って、考えだけが先にいって結局何も進まずじまい。これはハッキリ言って損やで。やから、コンパなんて話す練習の場として考えたらええんや。しかも、おいらもおさむに話し振ったるし、酒もあるし。カエルをじっくり観察しとったらこれほどおもろい場はないで・・・。わかったか、お、その顔はわかった顔やな。ほなら、さっそくコンパに約束つけとくわ。メール、メール♪」
・・・ダダダダダダ・・・
おさむ「・・・・何も言い返せなかった・・・・。」 (つづく)

第61回(4/2) 〜春の恋 2〜   毎週月曜更新-前回-

なみ「聞いたわよ〜。」
アキラ「何を?」
なみ「明日コンパがあるんだってね〜。」
アキラ「ウッ・・・なんか悪い?」
なみ「別に・・・もちろん、あいは知ってるよね〜。」
アキラ「・・・当たり前や・・・。」
なみ「じゃあ、電話してみ〜よう・・・。」
アキラ「な、な、なんでや!今日の夜電話しよう思とったんや。第一今回はおさむのためのものであって、おいらは付き添いみたいなもんや。」
なみ「ふ〜ん・・・。」
アキラ「春やし、おさむも彼女の1匹や2匹くらい欲しいやろうと思ってな・・・。ま、親友として当たり前の事や・・・。ハハハハハ・・・。さて、そろそろ金魚鉢が汚れてきたし掃除でもしてこようかな〜、ほなら・・・。」
・・・ダダダダダ・・・
おさむ「ただいま〜。今さっきアキラと廊下ですれ違ったら、すごく睨まれたんだけど・・・。」
なみ「ああ〜気にしなくていいよ。ところで、明日のコンパの準備できた?」
おさむ「準備って?」
なみ「ほら、服とか、靴とか、話題とか・・・。ちゃんとおしゃれな春服持ってるの?」
おさむ「服はあるよ。一昨年買った奴だけどね・・・。結構気に入ってるんだ・・。」
なみ「一昨年!?ダメダメ、そんなの。時代の移り変わりは早いんだから。もう〜アキラも困ったものだけど、おさむも困ったものだよ。いい、大切なのはいつの時代も中身。でも、中身を気付いてもらおうと思ったら外見も大切なんだよ。女の子は本当にいろいろ見てるんだよ。もちろん、かっこいい子は得すると思うけど、それだけで選ぶ女の子なんていないよ。身だしなみ、靴、髪型、時計、後靴下、その他もろもろ・・・。座敷に上がる時ってあるじゃない。その時に、どんなかっこいい子でも靴下に穴が空いてたらその地点で終わりだね・・・。」
おさむ「なるほど・・・。実は、僕も穴あき靴下もったいなくて今もはき続けてるんだけど・・・・・。」
なみ「えー!!ダメダメ!!絶対ダメ!穴っていうのはね、身だしなみからいっても最低だし、なによりもそこから運が逃げちゃうんだよ。だから、そんな穴あき靴下は全部捨てちゃいなさい!」
おさむ「はい!」
なみ「よろしい。で、いままで言ったことが第1印象ね。それから、しゃべっていって、そのカエルがどんな性格をしてるかを見るのね。それには、好きずきあると思うけど、なみ的には、さりげなく優しくされちゃうカエルには弱いかな・・・。別に、面白い話題なんていらないの、単に落ち着いてゆっくりしゃべれて、なみのことたくさん聞いてくれて、かといって誰とでも隔たりなくしゃべって、趣味が合って、気が付くカエル・・・。ああ〜最高ね〜。」
おさむ「・・・・なみちゃん、以外とわがままなんだね・・・・。」
なみ「何か言った?」
おさむ「い、いや別に・・・。なるほどね・・・コンパって僕が思っていた以上に複雑だね・・・。」
なみ「も〜う、そんな考えすぎない考えすぎない・・・。おさむらしくやっていればいいのよ。でも、第1印象だけはきちっとしなくちゃいけないから、よ〜し、お買い物に行こうー!!オーー!」
おさむ「えっ今から?」
なみ「そうよ。なみがおさむの服を選んで上げるわ。いや〜楽しみだね〜。どんなのにしようかな〜。やっぱりモード系・・・いやいやそれは時代に合ってないね・・・フフフフ・・。よし、5分待っててね〜お化粧してくるから〜ララララララ〜♪」
・・・ダダダダダ・・・
おさむ「なんか、なみちゃんの方が盛り上がってる・・・・。」 (つづく)

第62回(4/9) 〜春の恋 3〜   毎週月曜更新

アキラ「おそいな〜、腹減ったーー!!おさむも見かけへんし、奴らはどこに行きよったんやーー!!」
・・・ガチャ・・・
なみ「ただいま〜。」
アキラ「お、帰ってきた!!遅い遅い!もう、腹減って死にそうや〜。」
なみ「ごめんごめん。ちょっとおさむのコーディネイトに時間がかかっちゃって。」
アキラ「おさむのコーディネイト??」
なみ「そうでーす♪それじゃ、おさむ君入場してくださ〜い。ジャジャジャーン!!」
おさむ「こ、これどうかな・・・?」
アキラ「ウオッ!!!今時のわかもんになっとるやん!!!」
なみ「でしょ〜。このジャケットは夏をちょっと先取りした淡いブルー系、その下のシャツは清潔感を出すために真っ白を合わせてみました。そんでもって、このズボン。上がちょっとカラフルだから下はおさえた色に。でもって、髪型。今までちょっと長かったので普段より少し短めに決めてみました。なみ行きつけの美容院でね。どうどう?なみプロデュースのおさむは?」
アキラ「ほ〜ん・・・外見だけでこんなに変わるもんなんやな〜。なるほどな。まあ、ズボンに値札ついとるからとっとくように。ほ〜ん・・・。ちょっとそのジャケットおいらにくれや。」
おさむ「ダメだよ。」
アキラ「ほ〜ん、にゃるほどにゃ。そやな、まあ服装には文句ないけど、まだ服に着られてるって感じやな。それを、着こなしていかんことにはな。」
なみ「フフフフフ・・・。ね、言ったでしょ。アキラが納得するって。」
おさむ「ホントだね・・・。僕、絶対けなされると思ってた。」
アキラ「アホか!おいらがいつカエルをけなしたんや!ウソも休み休みに言えよ!全く!まあ、ええわ。とりあえず腹減ったから飯飯!」
なみ「あ、なみ達はもう食べてきちゃったんだ。で、これがお持ち帰り。アキラの好きなお・す・し。」
アキラ「お、でかした!よっしゃ、早速食べよ食べよ〜♪」
なみ「じゃあ、なみお茶用意してくるね〜。」
・・・ダダダダダ・・・
アキラ「ムシャムシャムシャ・・・やっぱりここの寿司は上手いな〜。ネタがちゃうなネタが。で、話は変わるけど・・・なんで服なんか買いに行ったんや?」
おさむ「え?決まってるじゃない・・・明日のコンパのためだよ。」
アキラ「コンパ・・・か・・・。なるほど・・・・。すまん!おさむ!明日、メル友が大勢で会うより2匹だけ会った方がええとかいうから、2匹で会うことになりました!ということでコンパは中止です!これおいしかった!ごちそうま!金魚鉢の掃除して来るわー!」
・・・ダダダダダ・・・
なみ「は〜い、お茶が入りましたよ〜・・・。あれ?もう食べ終わっちゃってる。アキラは?」
おさむ「な、なんか明日のコンパなくなっちゃったみたい。」
なみ「えっ!?」
おさむ「ウワッ!熱い熱い!なみちゃ熱いよ!」
なみ「キャッ!ごめんなさい。これで拭いて拭いて!ごめんなさい。おさむが急な事言うから・・・本当にコンパなくなっちゃたの?」
おさむ「うん、それが、かくかくしかじかで・・・・。」
なみ「あのバカ!ちょっと文句言ってくる!」
おさむ「い、いいよ、なみちゃん。実は、ちょっとホッとしてる面もあるんだ・・・。」
なみ「も〜う、そこがおさむのいけないところ。押しが強くなきゃ、手に入る物も手に入らないぞ・・・。」
おさむ「ご、ごめんね。せっかくなみちゃんが、買い物に付き合ってくれたのに・・・」
なみ「そんなことは全然いいの・・・だって言い出したのなみだし・・・。」
・・・ピンポーン・・・
なみ「あれ?誰か来たみたい・・・。」 (つづく)

第62回(4/17) 〜春の恋 4〜   毎週月曜更新

なみ「誰かな?は〜い。」
・・・ガチャ・・・
なみ「あら?」
みき「こんばんわ〜夜分遅くごめんね〜。」
なみ「ええっと??確か・・・」
みき「あ、私オシャレケロケロで働いてます、みきです。」
なみ「あ、思い出した。今日行った服屋のお姉さんだよね・・・。」
みき「そうそう、覚えていてくれてありがとう。ええっと、これを渡しに来たの・・・ほら、彼氏さんが運転免許証を試着室で落としてたから・・・住所みたら偶然家の近所だったし、ついでにと思って・・・ハイ。」
なみ「え!!わざわざ持ってきてくれたの?ありがとうー!ちょっと待ってね、今本人を呼ぶから、おさむ!!おさむ!!ちょっと来てー!!」
・・・ダダダダダダ・・・
おさむ「何?なみちゃん?」
なみ「ほらおさむ!免許証落としてたでしょう。これ。」
おさむ「ア!ホントだ。全然気付かなかった!」
なみ「もう、本当に!!拾ってくれたのが親切なカエルでよかったけど。ホラ、届けてくれたみきさんにお礼を言いなさい。」
おさむ「あ、本当にありがとうございました。」
みき「ウフフフフフ・・・どういたしまして。お二人は仲がいいのね。うらやましい〜。」
なみ「あ、そういえばさっき彼氏とかなんとか言わなかったっけ??」
みき「うん、良い彼氏だね。」
なみ「アハハハハ・・・おさむは彼氏じゃないよ。なみ、彼氏は別にいるし。ここ占いの館なんだ。今は見習い中ということで一緒に住んでるの。後一匹うるさいのと。もちろん部屋は別々だけど。」
みき「あ、そうなんだ・・・彼氏じゃないんだ・・・・。」
・・・ダダダダダ・・・
アキラ「お、べっぴんさんが来てるやん、いらっしゃい、まあ、ゆっくりしていってや〜。」
なみ「もう、余計な時に・・・。ちょっとこっちに来なさい!!あ、おさむ、ちゃんとみきさんを送って上げるのよ!」
アキラ「痛い痛い!耳引っ張るなって・・・。」
・・・ダダダダダ・・・
みき「本当に仲がいいのね。」
おさむ「うん、特にあの2匹はいつも騒がしくやってるよ。で、僕がいっつも止め役になるんだ。」
みき「ウフフフフフ・・・」
おさむ「あ、免許証ありがとう。もう、遅いし送って行くよ。無免じゃないしね。」
みき「あら?本当、でも悪いから・・・・。」
おさむ「いいっていいって、なみちゃんの命令は絶対だし・・・(笑)」
みき「そうなんだ・・・(笑)。じゃあ、お願いしようかな。」
おさむ「ラジャー!」(つづく)

第63回(4/23) 〜春の恋 5〜   毎週月曜更新

アキラ「痛い痛い!耳はなせって!」
・・・ガチャ・・・
なみ「ふぅ〜どうやら行ったみたいね〜?」
アキラ「あーイタッ・・・耳がジンジンする・・・・。で、あのべっぴんさんは誰や?」
なみ「今日ね、おさむと服を買いに行ったんだけど、その時の店員さん。みきさんていうんだけど、おさむが免許所を試着室で落としてたみたいなの。それをわざわざ届けに来てくれたんだ。」
アキラ「まじで!ええカエルやな〜。」
なみ「でしょ。それでね、初めはなみ達のことをカップルだと思ってたんだけど、おさむは彼氏じゃないって知ると、なんか顔がパッと明るくなったの。で、ピーンと来たのよね、ピーンと。」
アキラ「ホンマかいな・・・。あのべっぴんさんがおさむの事気に入ってるって?ありえん!」
なみ「アキラもまだまだね・・・。女の第6感をなめちゃいけませんぜ。とにかく、おさむが帰ってくるのが楽しみね・・・。あーーー!!もう、こんな時間。なみの好きなテレビが始まってる。」
・・・ポチ・・・
なみ「・・・・・アハハハハ・・・・アハハハ・・・・。」
アキラ「なんやこれ?」
なみ「これね、うそのメル友を彼氏に会わせて、どうなるかをかくしカメラで見るの。」
アキラ「な、なんと恐ろしい・・・・。」
なみ「そのメル友っていうのが超彼氏好みでさ。最後には、そのカエルがホテル行こって誘ってくるの。その時に、本当の彼女から電話があるんだけど、ウソついたらアウト。その場に乗り込んで来るんだ・・・・・・。アーー!ウソついちゃった・・・・。男ってバカよね・・・・。うん?どうしたの、そんなに青冷めちゃって・・・。」
アキラ「べ、別に・・・・。」
なみ「そ〜う〜い〜え〜ば〜あ〜し〜た〜め〜る〜と〜も〜と〜ふ〜た〜り〜っき〜り〜で〜あ〜う〜ん〜だ〜って〜・・・・・。」
アキラ「ドキッ・・・そ、そういえば、あいのやつ1ヶ月程前に、テレビ局に葉書だしよったわ。そん時はプレゼントの応募とかゆっとったけど・・・。もしかして・・・。」
なみ「き〜に〜し〜す〜ぎ〜じゃ〜な〜い〜・・・・・・・」
アキラ「あ、明日会う・・・や、やめよかな・・・・。」(つづく)

第64回(4/30) 〜春の恋 6〜   毎週月曜更新

なみ「それにしても、おさむ遅いね〜。」
アキラ「あ、そういえばもうだいぶたっとるな〜。」
なみ「うん、やっぱりなみの言った通りでしょ。絶対なにかあったんだってば。」
アキラ「おいおい、まじかいな。彼女は彼氏おるんか?1人暮らしなんか?どこに住んどるんや?」
なみ「そ、そんなの知らないのに決まってるじゃない。」
アキラ「はぁ〜そやな・・・ええな〜おさむは・・・。世間もゴールデンウィークやし、なんでおいららだけ働かなあかんのやー!」
なみ「もぅ、しかたないでしょ、サービス業なんだから・・・連休が稼ぎ時でしょ。ただでさえ赤字なんだから。しかも、世の中には休み中も働いているカエルなんて5万といるのよ。ブツブツブツ・・・。」
アキラ「はぁ〜・・。」
なみ「だいたいアキラだって明日メル友と会うんでしょう。」
アキラ「・・・いや・・・・。」
なみ「えっ!?本当?」
アキラ「さっきあいから電話あって明日仕事終わった後何してるの?って聞かれたんや。」
なみ「ほうほう・・・」
アキラ「忙しいって言おうとしたら、あの番組の事が頭によぎってな・・・。しかも、窓から外見たら、なんかわけのわからん車が止まっとるし・・・。思わず窓から飛びのき、暇やでって答えてもうたんや・・・。」
なみ「プッ!考えすぎだってば!!アハハハハ!意外とかわいいところあるんだね。」
アキラ「アホか!あんな女にデレデレしとるところを全国放送されたら、最悪や!もう、生きていかれん・・・先逝く息子をお許し下さい・・・。」
なみ「ふ〜ん、で、断ったわけか・・・。フフフフフ・・・何にせよ、良かったじゃない。」
アキラ「ケッ・・・・」
・・・ガチャ・・
なみ「あ、帰って来たみたい。おかえり〜。」
アキラ「おう、どないやったん・・・な、なんや、その満面の笑みは!?し、しかもほのかな石鹸の匂いが!!」
なみ「きゃーほら、何かあったんだってば!きゃー!」
アキラ「い、いったい、な、何が起こったんやーー!!」(つづく)

第65回(5/7) 〜春の恋 7〜   毎週月曜更新

アキラ「な、何があったんやーー!!」
おさむ「まあまあ、そんなに焦らないでさ。」
アキラ「うぉーー!この余裕ーー!!殺す!!」
なみ「ちょっとちょっと静かにしてよ!話聞けないじゃない!で、何があったの??」
おさむ「うふふ・・・残念だけど2匹が想像していることは何も起こらなかったよ。」
アキラ「じゃあ、なんで髪が濡れとるんや!なんで、石鹸の匂いがするんや!なんでこんな遅いんや!なんでそんな笑顔なんや!!」
なみ「もう、一度にそんなの答えられるわけないでしょ!もう!じゃあ、この家を出たところから始めて。」
おさむ「うん、あの後、みきさんはそんなに遠くないから歩くって言ったんだ。だから僕は、自転車を押しながら一緒に歩いていったんだよ。」
アキラ「ほうほう・・・。」
おさむ「で、その時運悪く雨が降って来ちゃってさ・・・。」
なみ「え?本当?全然気付かなかった・・・。」
おさむ「どうも通り雨だったみたいですぐやんだから・・・。それでさ、みきさんが家に上がってシャワーを浴びて行ってっていうから・・・。」
アキラ「何!!」
おさむ「僕もいいの?って何度も確認したんだよ。こんな見ず知らずのカエルを家に入れてって・・・。でも、全然オッケーオッケーって・・もう十分友達だよって。」
なみ「ほらほらなみが言った通りでしょ。やっぱりなみの感は冴えるな〜!自画自賛!」
アキラ「ケッ・・・・」
なみ「それでそれで?」
おさむ「うん、それじゃシャワーだけ浴びさしてもらおうと思って・・・。」
アキラ「そんときあわよくばって思っとったやろ!!」
おさむ「思うわけないじゃん!!」
なみ「そうそうアキラと一緒にしないでよね!」
おさむ「でね、ドアを開けた瞬間!おかえり〜って小さい女の子が走って来たんだ・・・。」
アキラ・なみ「エッ・・・」
なみ「それじゃ・・・」
おさむ「そう、みきさん結婚してたんだ・・・。」
アキラ「カエル妻か・・・悪くないな・・・・。」
・・・バシッ・・・
アキラ「イタッ!」
おさむ「フフフ・・・でね、シャワー浴びて、みきさんがシャワー浴びている間、その女の子の相手をしてたんだけどね、妙になつかれちゃって。将来はおさむ兄たんのお嫁さんになるって・・・。」
なみ「フフフ・・・かわいいわね・・・。」
アキラ「ケッ・・・ロリコンが。ところで、旦那はどこや旦那は?」
おさむ「うん、なんでもアメリカに出張中らしいんだ。でね、写真見せてもらったけど、超男前で。」
アキラ「美男美女か・・・。ということは、その娘絶対かわいくなるぞ!!今のうちに唾つけとった方がええぞ!!逃がすなよ!」
おさむ「フフフ・・・それも悪くないかもね・・・(笑)」
アキラ「うわーー!!ロリコン発見!きもーー!!」
おさむ「春の恋か〜・・フフフ・・・さ、僕は疲れたし寝ようかな・・・おやすみ〜。」
アキラ「あれマジの顔やで・・・。明日から、あいつのことをオサム源氏って呼ぼう・・・。ところで、なみの感も大したことないな〜。」
なみ「・・・・・。さ、なみはお風呂入ってこ〜よう♪ららららら〜♪」
アキラ「ケッ・・しょーもな・・・・。あ〜あ・・明日メル友とも会われんし・・やることないな〜・・・・しゃーないからあいの相手でもしょーかな・・・。」(つづく)

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