第80回(8/27) 〜恋☆新学期 前編〜   毎週月曜更新

おさむ「ようやく涼しくなってきたね。」
なみ「そうだね〜。なんか朝晩の匂いが秋って感じだもん。やっぱり台風のせいかな〜。でも、よかった、雨が降ってくれて。」
おさむ「ほ〜んと。あやうく給水制限が出るところだったもんね。」
アキラ「何がええんじゃ!」
おさむ「うわっ!ビックリした!急に何だよ?」
なみ「残念ね〜雨が降っちゃって・・・。倉庫にあるポリタンクの水は自分で飲んでね。」
おさむ「えっ?どういうこと?」
なみ「夏は水不足になるから、先に水を買っておいて高く売るつもりだったんだよね〜。」
おさむ「うわ〜せこいな〜。」
アキラ「アホか!何がせこいんじゃ!もし、雨が降らんかったら今頃おいらは億万長者や。たまたま雨が降っただけや。ええか、何でも物事は試してみなあかん。恋もしかりや!」
なみ「ま、どう考えても負け惜しみにしか聞こえないけど、そのプラス思考は捨てたもんじゃないね。」
アキラ「当たり前や!世の中ポジティブに生きなあかん。ほら反町君もCMで歌っとるやろ、ポジティブ〜♪ポジティブ〜♪って。」
なみ「アハハハハハ・・・まさにその通りね。夏が終わるから悲しくなるけど、スポーツの秋、クリスマス、正月がある冬が来ると思えばいいわけだね。」
アキラ「そやそや。寒い夕暮れ・・・好きな子と一緒に、あったかい缶ジュースを飲みながら下校する・・・。これ最高やろ!!まあ、しかし、さすがのおいらといえども、夏休みが終わる頃にはかなりブルー入っとったけどな・・・。」
なみ「あーーなみも。友達に会えるってわかっててもやっぱり嫌だったな〜。そういえば、もうすぐ学校始まるね。」
アキラ「そやな・・・。夏も終わり・・新学期か・・・。」
おさむ「僕も夏休みの最後の週は嫌いだったけど、1度だけ2学期が待ち通しかった時があったよ・・・。」
なみ「あー!わかった。好きな女の子に会えるからでしょ。」
アキラ「ふ〜ん・・・どーせ、振られたんやろうけど・・・。」
なみ「コラー!話の腰を折らない!せっかくおさむの恋バナが聞けるのに。」
おさむ「フフフフフ・・・そんな大したことじゃないよ。だって、相手は彼氏もいたし。その彼氏もすごくいいカエルだったしね。」
なみ「そっか・・・永遠の片思いか・・・。」
アキラ「おい、ちょっと待てって。なんで、男おる奴を好きになるねん。それがまず間違っとる。そんなんあきらめてチャッチャと違う奴いけよ!」
なみ「フッ・・・アキラ君もまだまだ子供ね。好きなカエルがいるカエル程魅力的なのよ。」
アキラ「な、なんや、そんな大人ぶって・・・頭大丈夫か・・・。」
なみ「うるさいわね!」
・・・ピンポンパンポ〜ン♪・・・
なみ「あれ?ニュースの速報みたい・・・。何々、関東で大雨のため列車が遅れてますだって・・・。へぇ〜こっちはこんなにいい天気なのにね・・・。」
アキラ「こんなに乗り合わせたら悲惨やな〜。日頃の行いが悪いんやで、きっと。」
おさむ「そうかな・・・そうとは限らないよ・・・。」
アキラ「あん?」
おさむ「そういえばさ、2年前にスーパーカエル号700系が走る河沼線が廃止になったの知ってる?」
アキラ「知るか!そんなもん!何と関係あるんや!」
おさむ「やっぱり・・・まあ、いいや・・・。そうそう、もう6,7年も前になるのかな〜。僕は旅行がてらその列車に乗ってたんだよ。じゃあ、さっきのニュースじゃないけど、列車が大雨のため止まっちゃって・・。本も全部読んじゃったしボケ〜としてたら、隣りの席にいた女のカエルが”ガムいります?”って話かけてきて・・・。長い髪に目がパッチリの大人っぽいカエルでね。少しドギマギしながらも、ちょっとした会話が始まってね・・・最初は大学生くらいかなって思ってたんだけど、いろいろ聞くうちになんと同じ学校の子だったんだ。しかも学年はたった一つだけ上・・・。」
アキラ「ほ〜お、大人っぽい女子高生か〜・・・ええの〜。」(つづく)

第81回(9/4) 〜恋☆新学期 中編〜   毎週月曜更新

なみ「もう本当にやらしんだから。」
アキラ「アホか!子孫を繁栄するために男はやらしくなるようにできてんねん。逆に、女に興味がない男の方が気持ち悪いわ!そんなんやったらとっくの昔にカエル滅びとるわ!」
なみ「グッ・・・じゃ、じゃあどーして女子校生がいいのよ!」
アキラ「ええか、よう考えてみろよ。まず一つによく世界をみろ。だいたい現代のしかも先進国を基準に考えるから話がややこしなるんや。他の国とか、昔とかやったら16,7歳ゆーたらええ大人で何人も子供も産んでるんや。次に、女子高生らも自分自身の価値をよう知っとる。制服着れるんはその時期の特権やし、どうやってかわいくして男を引こうか考えとるんや。それにつられて何が悪い!むしろ自然や!クワッ!!」
なみ「ウッ・・・・。」
アキラ「ま、おいらに勝とうなんて10年早いな・・・・、なあー、おさむ。あ、あれ・・・おさむがおらん。」
なみ「もう!いつもアキラのせいでこうなっちゃうんじゃない!」
アキラ「お、おい、なんでおいらだけのせいにすんねん!」
なみ「あ〜あ・・・おさむの恋バナ聞きたかったのにな・・・。」
アキラ「チッ・・・しゃーないな・・・。おいらが代わりに話したるわ・・・。」
なみ「えっ・・?アキラ知ってるの?」
アキラ「当たり前や。おさむの事やったらなーんでも知っとる。ゴ、ゴッホン・・あれは、高校1年の夏休みが終わり、ついに新学期が始まったんや。おさむはいつになく楽しそうに学校に向かったんや。もちろん、あの台風の日、列車の中で偶然知り合った一つ年上の女の子に会えるから・・・。彼氏がおることを知っとる・・・でも、恋をしてしまうのは自然なことなんや・・・・・。」
なみ「ふむふむ・・・。」
アキラ「始業式も始まり、全校生が体育館に集まる中おさむは必死に彼女の姿を探したんや・・・。髪の長い目のパッチリした女の子を・・・。記憶は鮮明に残っとる・・・そやけど結局見つけられずに式は終わり教室に戻ろうとした・・・その時!」
なみ「その時!?」
アキラ「後ろから、”おさむく〜ん”って・・・。」
なみ「キャッー!」
アキラ「心拍数は上がり、少し火照った顔で後ろを振り向いたら、なんとそこには髪を短く切った彼女が立ってたんや。」
なみ「髪を切ってたから、わからなかったんだね・・・。」
アキラ「その通り。彼女は、”ずっと遠くから手を振ってたのにおさむ君全然気付かないんだもん”と, ちょっとかわいくふくれ顔・・・。おさむは、驚きとうれしさのあまり何も言えなくて、まるで千と千尋の神隠しに出てくる「顔なし」のように”あ〜あ〜・・・”とだけしか言えずに・・・。」
なみ「なみまだ見てないからわかんな〜い。」
アキラ「あっ・・そう・・・。彼女は、”また後でね・・・”と言いさり去っていきました・・・。もちろん、おさむは友達から”誰だよ!あんな可愛い子とどうして知り合いなんだよ!”と非難のゴーゴー・・・。そんな罵声も聞き取れないほど、おさむはメロメロ・・・。」
なみ「うんうん、わかるわかる!」
アキラ「そして、昼休み!な、なんと彼女がおさむの教室に!!彼女はおさむに向かって!」
・・・バシッ・・・
アキラ「イタッ!!な、なんや!!」
おさむ「もーう!勝手に僕の恋愛話をでっちあげないでよ!」
アキラ「なんや、おさむ・・・おったんかいや。」
なみ「えっ・・・・・・・・・。と、と、と、いうことは・・・。」
おさむ「なみちゃん、そんな話信じちゃだめだよ。アキラのつくり話だから・・・。ごめんごめん、ちょっとトイレに行ってたんだ、いや〜申し訳ない。」
なみ「ガ〜ン・・・・・。せっかく盛り上がって来たのに・・・・・ガックシ・・・。」
アキラ「ま、そんなに落ち込むなや。なんやったら続きしゃべろか?」
なみ「はあ〜・・・・もう、バカらしくて怒る気もしない・・・・・。ふぅ〜・・・なみお風呂に入ってこようかな・・・・。はぁ〜・・・。」
・・・トボトボトボ・・・
おさむ「・・・・・。なみちゃんそんなに落ち込まないでよ。本当は、もっとすごいことが起こったんだよ・・・。」(つづく)

第82回(9/10) 〜恋☆新学期 後編〜   毎週月曜更新

なみ「えっ?すごいこと??」
アキラ「すごいゆーても、どーせ最後には振られるんやろ。」
なみ「もう!!アキラあっちに行っててよ!!今度邪魔したらメル友の事、あいに言うからね。」
アキラ「はい。なにも言いません。ごめんなさい。」
なみ「よろしい。で、おさむ・・・すごいことって・・・。」
おさむ「うん・・・、あれ?そういえばどこまで話したかな・・・?」
なみ「ええっと、列車の中で偶然知り合った女の子が同じ学校の1こ上の先輩で、可愛くて・・・」
おさむ「そうそう、それでね、新学期が始まってから数日後に食堂で出会ったんだよ。その時びっくりしたのが、長い髪をバサッと切っていてね。」
アキラ「ホラ!!おいらのゆったことが・・・・な、なみ・・そ、そんな怖い顔せんでもええやん・・・ごめん・・・。」
おさむ「でね、放課後話があるからって言われて・・・。」
なみ「おお!」
おさむ「僕もちょっとドキドキしながら行ったらね・・・。」
なみ「行ったら・・・。」
おさむ「なんと告白されちゃったんだよ。」
アキラ「告白!!うそつけ!!世の中そんな上手い話あるか!!」
おさむ「本当だってば。」
アキラ「クッ・・・女子校生からの告白か・・・ええな・・・。」
おさむ「なんでもあの日から僕の事が忘れられなくて、彼氏とも別れたんだって・・・。」
なみ「も〜う、なんだかんだ言っておさむも隅におけないわね〜。それで、それで。もちろん・・・。」
おさむ「うん、もちろん断ったよ。」
なみ「えーー!!!どうしてーーーー!!」
アキラ「アホか!せっかくの棚ぼた(棚からぼた餅)やのに!!あーあ、そこで一生分の運使ってもうたな・・・。」
おさむ「ウフフフフ・・そうかも知れないね・・・。だって、まず、あんな美人な子じゃ僕と釣り合わないし・・・。」
なみ「えっ?でもつき合う事はできたわけでしょう・・それなのにどうして??おさむ、その子の事好きじゃなかったの?その子がいるから新学期も待ち遠しかったんじゃなかったの?」
おさむ「えっ?僕そんな事言ってないよ。なみちゃん勘違いしているよ。新学期が待ち通しかったのは同じクラスに好きな子がいたからで・・・その子じゃないよ。」
なみ「えっ・・そうなの・・・。で、でも・・・。」
おさむ「僕は今好きな子がいるからってきちんと言ってね・・・。」
なみ「ううう・・・偉いけど・・・なんかもったいないような気が・・・。ま、おさむらしいといえばおさむらしいけど・・・それで、同じクラスの子とはどうなったの?」
おさむ「う・・ん・・、体育際の時に思い切って告白したけどふられちゃった・・・。」
なみ「そうなんだ・・・。」
おさむ「でも、僕全然後悔してないよ。やっぱり自分が一番好きな子とつき合うのがいいもんね。」
なみ「うん、もちろんだよ!でも、一つ質問していい?もしね、その時好きな子がいなかったらどうしてた?やっぱりつき合ってた?」
おさむ「う〜ん、どうかな・・・。そうそう、結局彼女は元さやに戻ったんだけどね、実は彼氏が部活の先輩でさ。だから、やっぱり断っていたかも・・・」
アキラ「そんなもん関係ないって!男通しの戦いやし、取ったもん勝ちやで!」
おさむ「ま、そうだけどさ・・・。」
なみ「ふ〜ん、なるほど・・・・・。もしかしたら初めから彼女とはつき合わないって決まっていたのかしら?これも運命なのかな〜。」
おさむ「そうかもね。」
なみ「じゃ、おさむの運命のカエルを早くみつけなくっちゃね。」
おさむ「よーし、何とかクリスマスまでには見つけるぞー!」
アキラ「よーし、おいらもがんばるぞーー!!・・・・・・・。そ、そんな怖い顔せんでも・・・・ごめん・・・。」(つづく)

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