第96回(2/25) 〜先生大好きです(前編)〜   毎週月曜夜更新
このみ「もうすぐ卒業でしょ〜。はあ・・・嫌だな〜・・・。ずっと3年2組がいいな〜・・・。」
アキラ「うんうん。わかるわかる。しかし、毎年クラスに1人はおるんやな〜。先生を好きになるやつって。先生もええ職業やな〜。こんな女子高生に好かれるなんて。転職しょうかな・・・。」
このみ「アキラさん!本気で考えて下さい!」
アキラ「お〜怖いx2。せやけど、担任の先生は、妻子持ちやしな〜。ま、あきらめるんが得策やな。。」
このみ「はあ〜・・・やっぱりそうよね〜・・。みんなそう言うしね〜。私だってわかってるの。バカな事してるって・・・。でも、どーしようもないのよね、こればっかりは・・・。はあ〜・・・。もう愛人だって何だった側にいられればそれでもいいって思ってるもん。」
アキラ「ほお・・・そりゃ重傷やな・・・。困ったもんやな〜。」
このみ「本当にね・・・。」
アキラ「ふ〜む・・・・ほなちょいと質問や。」
このみ「うん。」
アキラ「先生の事どれくらい好きや?」
このみ「えっ?どれくらいって・・・それは、もう先生のためなら死んでもいいと思うくらい。」
アキラ「ほんまか?」
このみ「うん!これは確か!」
アキラ「ええ女に2言はないな。」
このみ「うん、ない。」
アキラ「そっか・・・わかった。ほな、今から言うこと実行できるな。」
このみ「・・・・・。」
アキラ「卒業式の日、先生に告白するんや。そんでな、」
このみ「あ〜わかった。結婚してくれないと、死んじゃうって言うんでしょ!」
アキラ「アホか!違うわ!告白した後、めっちゃ笑顔で、たまに連絡していいですか?っていうんや。その時、めっちゃ爽やかにやで。」
このみ「う、うん・・・。そんなの簡単じゃない・・・。」
アキラ「それから先連絡は一切しない。以上。」
このみ「えっーー!!無理無理無理、そんなのぜったい無理!連絡できないなんて、私死んじゃうかも。」
アキラ「そーやろな。でも、さっき先生のためなら死ねるってゆうたやろ。」
このみ「え、で、でも、それとこれって・・・」
アキラ「よく考えてみ、先生が独身ならまだしも、妻子がおるんや。このみちゃんが、告白して誰が幸せになるんや?このみちゃんも、愛人で我慢するんやったらそれでええけど、ほんまの幸せは得られん。先生も、嫁はんと子供にずっとウソつかなあかん人生や。それに、もしばれたらみんな不幸になるんや。わかるか?結局このみちゃんは自分のわがままだけで悩んでるんとちゃうか?」
このみ「で、でも・・・。」
アキラ「わかるで。どーしょうもなく好きっていうんは・・・。でもな、このみちゃんももう子供やないんやし、大人の恋愛を学ばなあかん。自分のことだけ考えるんやのうて、他人の事も考えなあかん。告白したら、先生はどう思うかなんて誰でも想像つくやろ。やから引くところはきちんと引かなあかん。ま、それがええ女っちゅうもんや。それができんようじゃいつまでたっても、幼稚な恋愛しかできんで。」
このみ「シクッシクッ・・・ワ〜ン・・ワ〜ン・・アキラさんなんて大嫌い!ワ〜ン・・・」
・・・ダダダダダダ・・・
アキラ「あ、あかん、また悪い癖が出てもた・・・・な、なみに怒られる・・・。」(つづく)

第97回(3/4) 〜先生大好きです(後編)〜   毎週月曜夜更新 アキラ「はあ〜・・・このみちゃん泣かしてもたからなみに怒られるし、女子校生見とれてたら溝に落ちるし、公園の芝生に寝ころんだら犬の糞ふんでまうし、客は来おへんし・・・最悪な1日やわ・・・。はあ〜・・・。このみちゃん、あれから全然顔みせへんけど、元気してるんかな・・・。やっぱり、もっと応援するべきやったんかな・・・。おいらの考えは間違ってたんやろうかな・・・時代遅れかな・・・。環境は目まぐるしく変わってるから、今時先生とつき合うっていうのもめずらしいないし・・・。もっと柔軟な考えを持つべきやったんとちゃうやろか・・・。あかん、アキラ!弱気になるな。信念を持て。おいらの考えは正しいはず。いや、むしろ正しい、正しくないなんてないんや。これが、おいらの考えなだけなんや。そうやそうや。答えはようさんある。あくまでも一つの考えなんや・・。そうやそうや・・・・。がんばれ、アキラ。」
なみ「独り言は気持ち悪いわよ・・・。」
アキラ「ギョッ!な、なみ・・・。だから、何回も言うように人の部屋入るときはノックせぇゆうに。」
なみ「したわよ。」
アキラ「あ・・・そう・・・。」
なみ「泣かしたら承知しないわよ。ちょっと危ないおっさんだけど、どうぞ。」
アキラ「だれが、おっさんや!だれが!おっ・・・このみちゃん。は、花束もって・・・そうかそうか今日卒業式やったんやな。」
このみ「こんにちは。うん、そうなの・・・・・。」
アキラ「おめでとう。」
このみ「あ、ありがとうございます・・・・・。」
アキラ「・・・・・。あ、あのこの前は・・・・。」
このみ「あ、この前は本当にごめんなさい。アキラさんにすごくひどい事言ってしまって。」
アキラ「何ゆーとるんや、ひどいのはおいらの方や。」
このみ「いいえ、そんなことないですぅ。あの時は、本当の事をストレートに言われちゃったから、混乱しちゃって。だって、誰もあんなにハッキリと言ってくれないもん・・・・。今日ね、アキラさんに言われたこと勇気を出して実行したんだ・・・。」
アキラ「ほお・・・。」
このみ「先生もね、きっと冗談だろって思ったのかな、いつでも連絡してこいよってすごく笑顔で答えてくれた・・・。私とってもうれしかった。最後に先生の笑顔を見られただけで幸せ。頭の中に焼き付けたしね・・・。瞼を閉じるといつでも先生に会えるんだよ。私ってちょう幸せ者。フフフ。」
アキラ「そっか・・・。このみちゃんもこれから大人になって行くんやな。ようがんばった。よっしゃ、ほなご褒美に歌うたったろ・・・。ウッ、ウッ、ウン・・・♪くれ〜なずむ街の〜♪光と陰のなか〜♪去り〜ゆくあなたへ〜♪贈る言葉〜♪」
このみ「アハハハ・・・アキラさん音痴だね〜アハハハ・・・。」
アキラ「音程やない、気持ちや、気持ち!!♪悲しみ〜こらえて〜微笑む〜よりも〜涙枯れるまで泣く方がいい〜♪」
このみ「も、もっと大きな声で歌って・・・な、泣き声が他の人に聞こえちゃう・・・・ヒック・・」
アキラ「人は〜♪悲しみが〜多い程〜♪人には〜優しく〜できるのだから〜〜♪」
このみ「え〜ん・・・え〜ん・・え〜ん・・・先生〜・・・好きだったよ〜・・え〜ん・・・」
アキラ「さよ〜な〜らだ〜けでは〜♪さみし〜すぎるから〜♪去り〜ゆくあなたへ〜♪贈る言葉〜♪このみちゃんは、きっとええ女になる。おいらが保証したるわ。やから、今は思いっきり泣くんや・・・。ようがんばったな・・・。卒業おめでとう・・・。」(つづく)

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