第98回(3/11) 〜ゴースト★ラブ(前編)〜   毎週月曜夜更新 なみ「最近ね、かわいい女の子とあったの・・・。」
とおる「へえ〜・・・」
なみ「おとといだったかな・・・その日はとってもとっても寒くて・・・。夕暮れのピョン駅は、学校や会社帰りの人やカエルで混雑してた・・・。その中でぽつんと1人の女子高生がいたのね。少し小柄で色の白い、まるで雪のような・・・。別に電車に乗るわけでもなく、人を待ってる様子もなく、向かいのホームをずっと見続けてた。なぜかとても印象に残ったんだけど、なみは急いでたから、後はすっかり忘れてたんだ。でね、用事を済ませてもう一度駅に戻ってきたの。駅にはほとんど人はいなかったけど、彼女はまだいたの。もう、10時近くになろうとしてたわ・・・。」
とおる「ふ〜ん・・・。」
なみ「とっても寒かったわ・・・。まるで雪が降りそうなくらい・・・。あまりにも気になったから話掛けに行ったの・・・。余計なお世話かも知れないけど、誰か待ってるの?って・・・。女の子は、初めは戸惑った顔をしてたけど、すぐに微笑んで・・・もう疲れちゃったから・・・今年で終わりにしようと思うの・・・ってつぶやいた・・・。」
とおる「ひえ〜おれ何故か鳥肌立ってきたよ・・・。」
なみ「なみは、ピーンと来たわ・・・。この子は危ないって・・・放っておいたら自殺しかねないかもって・・・。とにかく、ここでなみがあたふたしちゃいけないと思って、本当に明るく装って、もし何か悩みでもあったら聞くわよって。」
とおる「うん・・・それで・・・」
なみ「その女の子は、別になんでもない、私帰らなきゃって・・・走って行っちゃったの・・・まるで消えるように・・・。とっても気になったけど、今の状況だと、どうしようもないじゃない・・・。家に着いてからもずっと考えてた・・・。昨日もね・・・気になって仕方なかったから、仕事が終わった後、駅に行ってみたの・・・。彼女また同じ場所にたたずんでた・・・。もう一度話しかけようと近づいたら、彼女はこちらに気づき逃げようとした・・・。でも、今度はしっかり手を握ったの・・・」
とおる「おおおお。」
なみ「とっても冷たい手、今度は彼女泣いてた・・・。それから30分ずっとなみの側で泣いてた・・・。」
とおる「・・・・わ、わけは・・・?」(つづく)

***前回***
第98回(3/18) 〜ゴースト★ラブ(後編)〜   毎週月曜夜更新

なみ「うん、なんでも3年前の中学の卒業式にね、、彼がプレゼントを渡したいからって、駅で待ち合わせしてたの・・・。でも、30分、1時間たっても彼は来なくてね、携帯もつながらない・・・。とっても気になったから、おうちに電話するとね、自転車に乗ってた彼とダンプカーが接触事故起こしたって・・・。」
とおる「えっ・・・。」
なみ「死には至らなかったらしんだけど、3年が過ぎた今でも意識不明のまま・・・。」
とおる「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なみ「とりあえず彼女はなみと話していくうちに気を取り直したみたいで、これからも彼の看病は頑張って続けていくって言ってたわ・・・。でも3年は長すぎるわよね・・・。」
とおる「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なみ「さ・・・そろそろ帰る時間じゃない・・・?」
とおる「だってさ、ここすごく居心地いいんだもん。」
なみ「そんなに彼女困らせたいの?」
とおる「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
なみ「・・・とおる君・・・ほら、早く自分の場所に戻りなさい!」
とおる「チェッ!せっかく楽しい場所で、久しぶりに俺と話せる奴見つけたと思ったのに・・・カエルだけどさ・・・。」
なみ「こら、わがまま言わない。自分の体に戻りたくても戻れない人もいるんだから・・・。よく考えて、ほら・・」
とおる「はいはい、わかりましたわかりました・・・。ふふ・・・俺さ、ずっと迷ってたんだ・・・彼女はとても大切だけど、このまま生き返っても仕方ないような気がして・・・。俺バカだし、これといって特技もないし、戻らない方が彼女ためになるな・・・って思ってた・・・。でも、この1週間なみちゃんと話してて気付いたんだ・・・。何もしないでただ逃げてただけだなって・・・戻りたいけど、それだけの勇気がなかったんだって・・。・・・・・。もっと早くここに来てればな・・・。」
なみ「ううん、そんな事ないよ。今からでも十分間に合うよ。きっと私達が出会えたのは彼女の願いが通じたから。今時いないよ〜3年間も待ち続ける人なんて・・・。うやまし〜。彼女、今年高校卒業なんだし早く戻っておめでとうの一言でも言って上げなさい。」
とおる「はーい・・・あ〜あ・・俺の体ちゃんと動くのかな・・・勉強もしなくちゃいけないし・・・これから大変な日々になりそうだ・・・。なみちゃん、ありがと・・・。体が回復したらここに来るから・・・彼女連れてさ・・・。」
なみ「うん・・・待ってるね・・・。」
とおる「さ・・・がんばるか・・・じゃあね〜・・・。」
なみ「うん・・・・ばいばい・・・。ふ〜いっちゃったか・・・。」
・・・ドスン・・・
なみ「わわわ・・・力抜けた〜・・・。は、初めて見たときは怖くて怖くて気絶しそうだったけど・・・慣れって怖いわよね・・・。お化けと話してたなんて誰も信じないか・・・。あ、死んでないからお化けじゃないのかな・・・う〜ん・・・どうなのかな・・・。」
・・・プルルル〜プルルル〜・・・
なみ「ドキッ!あ、ビックリした〜・・電話か〜。も、もしもしカエルが占う部屋ですが・・・はい、なみは私です・・あ・・・えっ・・・そうなの、彼が意識戻ったの!!よかったわね・・・うん・・・うん・・・えっ・・最初の言葉が卒業おめでとうだって・・・どーしてわかったのかしら・・・不思議ね・・・。でも・・うん?・・えっ?私が幸運をもたらしただって?そ、そんなこと、それは3年間の看病が実を結んだのよ・・・。うん・・・とにかく、本当によかったね・・・。は〜い・・・またね・・・。・・・・・・ちゃんと戻ったんだね・・・よかった・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・その数年後・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
みゆき「ねえ、とおる。ここの占い当たるし、なみさんいいカエルだったでしょ〜。結婚するの2年後だって・・・うふふふ。うれしい〜。」
とおる「そうだね。なみさんもいいカエルだし〜。こっちまで元気になっちゃうね。でも・・・。」
みゆき「でも??」
とおる「どこか懐かしいような気がするんだよな〜・・・。初めてあった気がしないんだよ〜。」
みゆき「うふふ・・・それがなみさんのすごいところよ。私も初めはそう感じたよ。。」
とおる「そっか・・・そうだよね・・・。」
みゆき「また来ようね〜。・・・・。愛してるわ、とおる・・・・・チュッ。」(つづく)

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