第111回(7/1) 〜恋と試験 (前編)〜   毎週月曜夜更新

おさむ「同情するよ。」
けんじ「とほほほ。やっぱり勉強はコツコツやるべきなんだよね〜。」
おさむ「まあね・・。でも、」
けんじ「わかってるって。毎回テストになればそう思うんだけどね。」
おさむ「うふふふ。テストの時は、毎日やってればよかったって思って、いつもは、テスト前にまとめてやっちゃおうって思ってるんでしょ。」
けんじ「それそれ、まさにそれっすよ。」
おさむ「僕もそうだったからね。わかるわかる。でも、まだ2週間はあるじゃない。今から勉強すれば間に合うよ。」
けんじ「うん、そうなんだ。だから、今回は早めに勉強しようって思ってたんだけど・・・。」
おさむ「けど??」
けんじ「ちょいと気になる人ができちゃって・・・。」
おさむ「へえ〜。よかったじゃない。今まで好きな人いない〜って苦しんでたのに。」
けんじ「そうなんすよ。久しぶりにきたっー!って感じなんす。でも、時期が時期だし、しかも高嶺の花というか、なんというか、同じクラスなんですけど、頭が超いいんす。」
おさむ「おっと、頭なんて関係ないよ。人間心だよ、心。」
けんじ「うう、そうかもしれないけど、それはおさむさんみたいに頭が良くなってから言いたい・・・。」
おさむ「え〜??僕が頭いいって??」
けんじ「はい、なみさんもアキラさんも言ってましたよ。」
おさむ「もう、あの2匹ったら・・。僕は決して頭は良くないよ。頭の良さならあの2匹の方が断然いいね。僕は、どちらかというと努力型かな。」
けんじ「う〜ん・・どちらにしても、頭が良いってのは特だよね〜。その子さらちゃんっていうんだけど、やっぱりクラスで頭のいい奴とよくしゃべってるもん。」
おさむ「ふ〜ん・・・。」
けんじ「ふ〜ん・・・って」
おさむ「恋ってね、不思議なんだ〜。いい恋もあれば、悪い恋もある。」
けんじ「???」
おさむ「世の中にね、どうして恋ってあるんだろうって考えたことある?」
けんじ「い、いや・・・。特には・・・。」
おさむ「僕はこう思うんだ。恋を通して自分を一つ成長させるためだって。素敵な人に恋するには、いや、素敵な人に恋できる資格を得るためには、やっぱりがんばるしかないんじゃないかな?」
けんじ「ハッ・・・」
おさむ「僕も、学生の頃は勉強したな〜。好きな女の子に数学を教えられるようにね。若かったな〜。」
けんじ「お、おさむさん、俺、俺!!」
おさむ「けんじくん、男ならやるっきゃないね!」
けんじ「はい!!」(つづく)

第112回(7/8) 〜恋と試験 (後編)〜   毎週月曜夜更新

おさむ「暑い・・・暑い・・・暑い・・・。・・・・・・・。暑い・・・暑い・・・。と言いつつここで、一句
かき氷 風鈴ならして 夕涼み
ふむ・・・悪くないな・・・・。後でアキラに聞かせよう・・・。そんな事言ったらかき氷が食べたくなっちゃった。お客さんいないし、休憩しよっと。ラララララン♪」
けんじ「ちわ〜っす!」
おさむ「ギョッ!け、けんじ君いらっしゃい。あ、そ、それおいしそうなかき氷だね。」
けんじ「まあね・・・。ガブッ・・・。あ〜おいしかった。」
おさむ「ああ・・一口で・・・丸ごと・・・・おいしそ・・・・。はあ〜・・・。」
けんじ「もう氷の一つや二つでそんな悲しい顔しないで下さいよ〜。ちゃんとおさむさんの分ありますってば。」
おさむ「え、本当!!ありがとう!!!!」
けんじ「はい。」
おさむ「ペロペロ・・・は〜あ・・・もう死んでもいいかも・・・。」
けんじ「大げさだな〜・・・でも、死ぬのは俺の話を聞いてからにして下さいよ。」
おさむ「あ、そう言えば・・・この前の試験どうだった!?」
けんじ「あ、あれね。うん、あれから、がんばって勉強したんだ。」
おさむ「そっか・・・えらいよ。それで・・・。」
けんじ「結果は・・・。」
おさむ「結果は・・・・。」
けんじ「明日でーす。」
おさむ「ほっ・・・そうなんだ・・・。まだなんだね。ちょっとドキドキしちゃった。」
けんじ「うん、でも、俺テストの結果なんてどうでもいいって思ってるんだ。」
おさむ「ええ??」
けんじ「別に試験ができた、できなかったの問題じゃなくってさ、よくわからないんだけど自分自身に気づいたというか、なんというか・・。今までは俺いつも勉強から逃げてた。何かと理由をつけてね。でもよーく考えてみると勉強だけじゃなくて全てに染みついちゃっている事に気づいたんだ。好きな人と話すのでさえ頭偉くなくちゃダメだって、決めつけてたんだよ。」
おさむ「・・・・。」
けんじ「でも、それに気づいた・・・。何で気づいたかというと、この1週間必死で勉強したから・・・。たった1週間だけど、自分自身真剣になって夢中になって勉強に打ち込んだんだ。するとね、なんだかにわかに自信ついちゃって。わかってるよ、まだまだ勉強しなくちゃいけないってことは。でも・・・。」
おさむ「うふふふ。やっぱりけんじ君は偉いね。僕がそれに気づいたのは、最近の事なのに・・・。」
けんじ「い、いや・・・そんな大げさな事じゃないっすよ。未だこんな事言える身じゃないって・・・。でも、それがきっかけで、特に緊張する事なく彼女に話しかけることができたんだ。彼女すっごく明るく話返してくれて・・・かしこい人しか話さないっていうのは、俺が作った妄想だったんだよ。」
おさむ「よかったじゃない。けんじ君は自分の殻を一つ破ったんだね。最近、みんな変わらなきゃ変わらなきゃって思ってるじゃない。英語を習い始めたり、パソコンスクールに通い出したり・・・それはそれでとてもいい事なんだけど、もっと身近にある、今していることに集中するってことを忘れてるんだよね。足下を見てないんだね。その点、けんじ君はしっかり足下を固めて、これを機にもっともっとがんばっていけるね。」
けんじ「もう、ほめすぎですよ〜。でも、俺うれしいです。もっとがんばります。」
おさむ「そうだね。彼女とも上手くいくといいね。ふられてもなぐさめて上げるから。」
けんじ「はい!!って最後の一言は余計です。かき氷返して下さい。」
おさむ「い、いやだ・・・バクッ!!・・・・・・。キーーーン・・・来た・・・あ、頭が・・・・。」
けんじ「ふ、やれやれ・・・

かき氷 君のくちびる 艶やかに

誰かさんのへんてこな顔より、彼女と一緒に食べたいな・・・・・」
おさむ「うーーーん・・・うーーーん・・・」(つづく)

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