第115回(7/30) 〜2人の花火 前編〜   毎週月曜夜更新

アキラ「そうやな〜。例えば結婚についてどう考えてる?」
かず「結婚ですか?俺は、まだ24だし全然考えてません。ゆくゆくはりょうことしたいとは思ってましたが。」
アキラ「うむ。しかし、女の子はちゃうんや。3年もつき合ったらそろそろって思うのが世の常。」
かず「確かに、薄々は感じてました・・・。でも、俺お金ないし、結婚したら自分の時間なくなっちゃうし。将来は絶対お金持ちになりたいんです。だから、今は自分の事で精一杯というか・・。」
アキラ「ふ〜・・・気持ちはわかるけど、そこなんやな・・・そこ。」
かず「えっ?そこって??」
アキラ「かずは将来何で儲けるんや?」
かず「まだ特には決めてませんが・・。とりあえず自分の会社を作りたいな〜って思ってます。」
アキラ「ふ〜ん・・・ほなら、何で金持ちになりたいんや?」
かず「それは、誰だってお金は欲しいと思います。お金があれば、好きな事できるし、好きな物もカエルし。」
アキラ「それは、1人の女性より大切なんか・・・?」
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かず「絶対将来金持ちになって、贅沢な暮らしを約束するから・・・。」
りょうこ「私お金なんていらない。好きな人と普通に生活できるだけで十分なんだよ。」
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アキラ「お〜い・・・聞いてるか〜〜〜??」
かず「あ、す、すいません。ちょっとボ〜ッとしちゃって。すいません。お金も好きな人もどっちも大切です。」
アキラ「そりゃそうやな。あははは。でも、かずはお金を優先させたわけやな。」
かず「・・・・・・。そういうことになりますね・・・。」
アキラ「ま、仕方ないけど、それが重大な間違いなんやな。ちょこっと野心のある男なんてみんな同じなんや。結婚したら自由がなくなるとか、おもんないとか・・・単に逃げてるだけなんや。そんなこと言うんやったら今精一杯生きてるか?テレビ我慢してるか?友達とダラダラ遊んでないか?夢ばっかり語って実際なんもしてないんとちゃうん?全部後回しにしてないか?」
かず「・・・・・・・・・・・・。」
アキラ「おいらも結婚してないから偉そうな事はいえんけど、やっぱり得る物は大きいはずや。こいつのためにがんばろとか、子供のために一生懸命になろうとか・・・。金持ちになってから結婚しても多分おもろないで。一緒に金持ちになっていくからおもろいんや。かずもそれだけ自信あったら、そうしたらええんや。」
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りょうこ「私もかずくんのこと支えるから。一緒にがんばっていこうね・・・。」
かず「何言ってるんだよ。りょうこには苦労かけさせないよ。家にいればいいんだよ。」
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アキラ「あの有名なNASAでもな、危険な任務は独身じゃなくて、嫁子供がおる奴に任せるんや。なんでかわかるか?それは、ホンマに死にそうな時に、1人もんは、俺が死んでもってあきらめる奴が多いんや。逆に、嫁子供がおる奴は、何が何でも生き抜こうとするんやって。ま、一理・・」
かず「俺のばか!!!!」
アキラ「ぎょっ!!びっくりするやないか!!いきなり大声出して!!」
かず「俺何もわかってなかったんですね!!ちっくしょーー!!今から間にあうかな!!!?」
アキラ「さあ・・・。」
かず「俺、もう一度りょうこに会ってみます!!」(つづく) 第116回(8/5) 〜2人の花火 後編〜   毎週月曜夜更新   

親愛なる りょうこへ

こうして手紙を送るのは初めてだね。少し照れくさい気もするけど、メールでも電話でも伝えられないことを手紙にして送ります。

あれから、いろんな事を考え1つの結論にたどりつきました。 やっぱりりょうこを愛しているってことを。

もう一度やり直せませんか?カエル花火大会の日、7時にカエル広場で待ってます。

かず

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・・・・バンバンバン・・・・・・・
・・・・パラパラパラ・・・・・・・
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・・・・ヒュ〜〜〜・・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
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かず「はあ・・・・もうすぐ9時か・・・。」
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・・・・ヒュ〜〜〜・・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
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わ〜きれいだね・・・・うん・・・・
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放送「これを持ちまして、カエル花火大会を終わります〜。お帰りは、混雑しますので押し合わないようにして下さい〜」
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かず「やっぱりダメかな・・・・。いや、きっと何か用事があるんだ・・・もう10分だけ待ってみよう。もう10分だけ・・・。」
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・・・午後10時30分・・・・・・・
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・・・ザザザザザ・・・・・・・・・
・・・トントン・・・・・・・・・・
かず「あ!!りょうこ!やっぱり来てくれたんだ!!!あ・・・・・・」
アキラ「すまんな、りょうこちゃんちゃうかって。」
かず「い、いや、そんなことないんです。やっぱり・・・」
アキラ「ま、腹減ったやろ。たこ焼きでも食いね。最後やからって、5舟もおまけしてくれたんや。ちょっと冷めてるけどな。ほい。」
かず「あ、ありがとうございます。・・・・。むしゃ・・・むしゃ・・・・。おいしい・・・」
アキラ「そやろ。」
かず「アキラさん、俺・・俺・・・・。」
アキラ「かず、何も言わんでええ・・・。黙って我慢せなあかんこともあるんや。」
かず「・・・・・・・・・」
アキラ「間違いおこさん人間なんておらへん。特に恋愛なんて間違いの連続なんや。ああしてれば・・こうしてれば・・なんてな・・・。おいらなんて、星の数程あるわ。でもな、一歩づつ進んでいくしかないんや。何が起ころうと、一歩づつ・・・。」
かず「・・・・アキラさん・・・・グスッ・・・・。」
アキラ「ま、元気だせって。人間の半分は女や。お、どないや、あの浴衣姿の女の子は。絶対いけるで。やっぱ浴衣はええな〜。うんうん。」
かず「もう、アキラさん!!人が落ち込んでいるのに!!」
アキラ「あははは。ま、それだけ元気があったら大丈夫や!ほな、おいらはちょっくらお友達になりに行ってくるわ。一度切りの人生、思いっきり生きな損やで。」
かず「そうですね。でも、一度切りの人生だから、思いっきり1人の女性を愛そうと思います。例え何年待ったとしても・・・。」
アキラ「あははは。やっぱりそいう言うと思ってた。そう言えば、今夏休みやし、みんな帰省している可能性あるよな。ま、手紙読んでないっていう落ちもあるかもな・・・。じゃ〜ね〜〜。」
かず「えっ・・・・・・・・・??そういえば、下宿先の電気ずっと消えてたな・・・。あ!」
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・・・・ヒュ〜〜〜・・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
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かず「きれいだね・・・・」
りょうこ「ねえ、かずくん、私かずくんのこと支えるから。だから、一緒にがんばっていこうね・・・。」
かず「うん。もしかしたら苦労かけるかもしれないけど、ずっと一緒に歩んでいこうな・・・。」
りょうこ「うん・・・」
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・・・・ヒュ〜〜〜・・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
・・・・バンバンバン・・・・・・・
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(おわり)

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