第117回(8/12) 〜 恋人と親〜   毎週月曜夜更新   

まなみ「もう、昨日は最低だったよぉ〜。家族で、テレビ見ながら団らんしていたのに、急にアダルト番組に変わるんだもん。」
アキラ「あ、あれな。地元のケーブルテレビが間違えてアダルト番組を流してもうたらしいな。残念ながら、おいらは見られんかったけど。」
まなみ「ママは、洗い物しなきゃって逃げるし、パパは、おもむろに新聞に読みふけちゃうし。私もどうしていいかわからないから、とりあえず携帯さわるふりして逃げてきちゃった。」
アキラ「家族団らんは厳しいな〜。しかも、年頃の娘がおるし、どうにもこうにもな〜。おいしかったんは独身男性くらいやな。」
まなみ「もう絶対やめて欲しいわ。」
アキラ「あははは。そりゃそうやな。ところで、まなみちゃん、最近できた彼とどう?上手くいってる?」
まなみ「うん、彼とは上手くいってることはいってるんだ。でも・・・。」
アキラ「でも・・??」
まなみ「親になかなか切り出せなくて。。」
アキラ「あ、そういう問題か。やっかいな問題やな〜。両親どっちも知らんの?」
まなみ「うん、多分。でも、ママは感づいてるっぽいんだ。」
アキラ「そうか、それなら、はっきり言った方がええで。母親なら、物わかりもええやろうし。」
まなみ「だから、昨日思い切って言おうって思ったらあの番組だもんね。機を逃しちゃったよ〜。どうしようかなぁ。」
アキラ「母親はともかく、父親はやっかいやな〜。まなみちゃん1人娘やし、父親としてはわけのわからん男に取られるーって感じやからな。その点男は気楽やな。取るって感じやし。おいらも、女の子欲しいけど、そういう事考えると男でええなって思うわ。」
まなみ「はあ・・・やっぱりね・・・。話切り出すのに精一杯なのに、会うなんて、とても考えられないわ・・・。なんだか自信なくしてきちゃった。」
アキラ「おっと、悪い悪い。悪気はないんや。でも、大丈夫や。なんとかなる。おいらもなんとかなったし。」
まなみ「えっ?アキラさんは彼女さんのお父さんに会った事あるの?」
アキラ「まあな。おいらも喉から胃腸が出そうなくらい緊張したけど、戦略を立てたから上手くいったんや。」
ななみ「戦略??」
アキラ「そうや、まず彼女に父親の好きなもん聞くやろ。ちなみに、酒と将棋が好きっていうことやったから、地獄車を片手に持っていったわ。」
まなみ「えーーっ!?家に行ったの!?」
アキラ「そうや、しかもテスト前に勉強教えるっていう理由でや。ま、おいらも数学にかけては誰にもひけをとらんかったから、それがよかったな。親も認めざるをえへん。その日は、日曜やったから、家族みんなおるがな。でもな、そこでこそこそと上がったらあかんのや。堂々と、でかい声で”おじゃましまーす”ってゆうてな、まず土産を渡したんや。ここがよかったんやろな。わざわざ昼ご飯も作ってもらって、午後はパパと将棋してかなり盛り上がったがな。」
まなみ「へえ〜そうなんだ〜。すごくいいな〜。」
アキラ「そうやな、ま、戦略立てるのも一つやけど、やっぱり第一印象が一番大事やな。清く、明るく、礼儀正しくが基本やな。」
まなみ「なるほどね。清く、明るく、礼儀正しくか。そうだね、親だって安心するだろうしね。」
アキラ「その通り。つき合うっていうのは2人の問題やけど、やっぱりみんなに認めてもらいたいからな。」
まなみ「そうだね・・。でも、まずどうしたらいいかわかんない・・。」
アキラ「う〜ん・・・そうやな・・まずは母親を味方につけんとな。夏休みの宿題を早めに片づけるとか、家の仕事を手伝うとかしながら、ご機嫌を取りつつ切り出すべし。その後も、彼氏ができたからって、夜帰るのが遅くなったり、携帯代が高くなったりしたらいい風には思われんから、その辺りをきちんと押さえておかなあかん。恋人ができてからいい方変わったってことを母親にわかってもらう必要があるからな。」
まなみ「なるほどね、気をつけなくちゃ。そういえば夏休みの宿題なんてまだ半分も終わってないや。よーし早速明日からがんばるぞ〜。彼を認めてもらう第一歩だんもね!」
アキラ「そうやな、その意気や。がんばれよ。」
まなみ「はい!!と、いうことで、明日からアキラさんに数学教えてもらいに来ますね〜。やっぱここって悩みがなんでも解決しちゃうな〜。わーい。じゃ、また明日ね〜。」
・・・ダダダダダダ・・・
アキラ「お、おい。ここは塾ちゃうっちゅうに。もてるために数学勉強したけど、結局都合のいい時だけやったな。。はあ〜〜今頃気づくなっちゅうに・・・・・・・・。」(おわり)

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