第120回(9/2) 〜 新学期だぁぁ 前編〜    毎週月曜夜更新   

みき「おさむさん!こんにちは!」
おさむ「あ、みきちゃん。こんにちは〜。わ〜、黒くなったね〜〜。」
みき「はい!夏休みの間、田舎のおばあちゃんのところにず〜っと遊びに行っていたから。毎日、川で泳いで、夜は花火して。も〜う、最高でした〜〜。」
おさむ「うんうん、いいね、いいね。やっぱり中学生は元気があって。」
みき「でもね、今日からついに学校始まっちゃったし・・・。みんなに久しぶりに会えてうれしかったんだけど、ちょっぴりブルーなんだ・・・。がっくし・・・。」
おさむ「そうだね〜。わかるよ〜。僕も、夏休み最後の日なんて、密かに隕石が衝突しないかな〜って願ったものだよ。」
みき「あははは。おさむさんもそうだったんだ〜。」
おさむ「しかも、新学期といえば、校長先生の長〜い話を聞かなくちゃいけないでしょ。」
みき「そうそう、今日もとっても長い話で、うんざり。どうして、あんなに意味わかんない話ばっかりするんだろうね。」
おさむ「古今を問わず変わらないもんなんだね・・。。」
みき「あれってどうにかならないんですか?今日なんて超暑かったから倒れそうだったんですぅ。」
おさむ「う〜ん・・あればっかりはね・・・。でもね、考え方一つでだいぶ変わってくるよ。校長先生も家に帰ったら、娘に汚い呼ばわりされているんだろうな〜って。家で邪険に扱われ、PTAでも生徒の親に怒鳴られ、きっと生徒の前での挨拶が校長先生の晴れ舞台なんだな〜って。僕たちが聞いてあげなくちゃ校長先生がかわいそうだよ・・・ってな感じで。」
みき「きゃはははは!!おさむさん、おもしろ〜い。そんなこと考えてたんですか〜!?おかしい〜。あははは。でも、ちょっぴりいい考えかも。あはははは。」
おさむ「でしょでしょ。もちろん、僕の空想だけど、物は考えようっていうじゃない。」
みき「な〜るほど。う〜ん・・じゃあね、こんな時はどうしたらいいの?」
おさむ「どんな時?」
みき「うん、今日の午後ね、2学期のクラス員を決めてた時なんだけど、竹田さんっていう子が学級委員に選ばれたの。でもね、竹田さんは、もうすぐ受験だし、そんな時間はもったいないから辞退しますって言ってきかないの。結局明日に延期になったんだけど、みんなしらけちゃって。」
おさむ「う〜ん・・・その竹田さんにみんなが無理に押しつけたようとしたとかはないの?」
みき「ううん。そんな事絶対ないです。竹田さんは、小学生の頃からよく学級委員に選ばれてたし、結構人望もあるし、適役だと思うの。でも、中3になってから少し暗くなった気がするの。やっぱり受験の影響かなのか〜。」
おさむ「確かにそうかもしれないね。受験のプレッシャーはかかる人にはかかるからね〜。ちなみに、みきちゃんは何になったの?」
みき「私は、毎回決まって体育委員なの。秋は、体育際もあるしね、はりきっちゃう。お勉強はその後から、がんばろうかな〜〜。えへへ。」
おさむ「あはは、そうなんだ。うん、ぴったりはまってるね。みんなが、みんなみきちゃんみたいだったらいいんだけどね・・・。あ、でも勉強はしなくちゃ困るけど・・・。よし!今からその竹田さんって子に会えるかな?」
みき「はい、きっと今頃図書館にいると思うから、帰りにこっちに来てもらうようにメールしてみます。」(つづく)

第121回(9/9) 〜 新学期だぁぁ 中編〜    毎週月曜夜更新

   ・・・♪♪♪♪♪・・・
みき「あ、メールがきた。ええっと・・、”今日は忙しいからいけない”・・・・だって・・。」
おさむ「そうなんだ・・。残念だね。」
みき「おさむさんに会えば、竹田さんにとってもプラスだと思うの。私、今から連れてくる!」
おさむ「いや、それはやめておこう。竹田さんも竹田さんなりの考えがあるわけだし。今回は、縁がなかっただけだよ。」
みき「でも・・・。」
おさむ「僕も、会っていろいろとアドバイスをしてあげたいよ。でも、聞く気がないのに無理につれてきても逆効果だと思うんだ。周りからはアドバイスはできるかもしれないけど、結局自分を変えられるのは自分だけだからね・・・。」
みき「・・・・・・。」
おさむ「日も暮れるのも早くなったね〜。みきちゃんも、暗くなる前に帰らなくちゃ。」
みき「うん・・・。あ〜あ、竹田さん本当に残念だね〜。仕方ないのかな・・・。じゃあ、また来ま〜す。」
おさむ「は〜い、気をつけてね〜。」
・・・ダダダダダダ・・・
おさむ「竹田さんの気持ちわかるな・・・。僕もそんな時あったし・・・。でも、学校の勉強も大切だけど、人と仲良くすることや人をまとめていく力も大切なんだよね・・・。学級委員なんかいいチャンスだと思うんだけど・・・中学生では、普通はわからないよね・・・。」
・・・トントントン・・・
おさむ「みきちゃん?忘れ物でもしたの?開いてるよ〜〜。」
・・・ガラガラガラ・・・
竹田「こんにちは・・・。初めまして・・・。私、竹田といいます。」
おさむ「竹田・・・あ、竹田さんって、みきちゃんのお友達の!?」
竹田「はい・・・。今、大丈夫ですか・・?」
おさむ「も、もちろんだよ、さ、入って入って。僕おさむっていいます。ここの事は?」
竹田「はい、前々から知ってました。友達の評判もいいし・・・。実は、黒川さんからメールがきた時もどうしようか迷ったんだけど、あまり人に知られたくなかったから・・・。」
おさむ「黒川さんて、みきちゃんの事だよね・・・。そうなんだ・・・。もちろん、ここに来たことは内緒にするからね。口は、誰よりも堅いから安心して。」
竹田「ありがとうございます。」
おさむ「竹田さんて、ちょっと意外だった・・・。」
竹田「えっ?」
おさむ「あ、ごめんね。決して悪気はないんだけど、ほら、みきちゃんが、委員長を辞退してまで受験勉強を専念したい人って言ってたから、もっと、なんていうのかな、ガリ勉タイプかな・・って思ってたんだ。でも、かわいいし、優しそうだし・・・。あ、ごめんね。これだとただのナンパだね・・。あはははは。」
竹田「クスッ・・・・・おさむさんんて面白いな。あはははは。なんだか、おさむさんなら何でも話せそうな気がする・・・。」
おさむ「うん・・・お兄ちゃんと思って何で言ってね。」
竹田「ありがと〜お兄ちゃん。」
おさむ「くぅ〜〜〜いいね〜〜。おっと、だめだ、だめだ・・。ご、ごほん、話を聞くよ。」
竹田「クスクス・・・・。う〜んとね、実はね、私今恋をしてるの。一緒のクラスの人なんだけど、頭はよくて、とっても優しい人なんだ。」
おさむ「ふむふむ。」
竹田「今日ね、彼・・男子学級委員に選ばれたの。黒川さんから聞いたと思うけど、私も女子学級員に選ばれたの。とってもうれしかったけど、私彼とまだ対等に話しできる自信ないんだ。しかも、同じ委員をしてこれ以上彼に夢中になっちゃったら、勉強もできないし彼と同じ高校にも行けないから・・・。私彼と同じ高校に行きたいの。だから、もっともっと勉強して、同じ高校に合格できたら、その時は告白しようと思うんだ。きっと自分に自信がついてるから・・・。でも、ダメなの・・。勉強しようと思っても、手につかなくて・・・。せっかく委員も断ったのにこれじゃ全く意味がないのよね・・・。どうすればいいのかわからないの・・・・。」
おさむ「・・・・。そっか・・・そんな理由があったんだね・・・。」 (つづく)

第122回(9/16) 〜 新学期だぁぁ 後編〜    毎週月曜夜更新 

竹田「結局ね、どうしよう〜どうしよう〜って悩みっぱなしで、何も上手くいかないの・・・。」
おさむ「今は、頭の中がいろいろな事でぐちゃぐちゃなんだよね。そういうときは、紙に書いてみるのが一番。じゃあ、今まで竹田さんの言ったことを紙に書いてみるね。」
・・・カキカキカキ・・・
おさむ「よしできた。これであってるか確認してみて。」
1.好きな人がいて勉強が手につかない
2.好きな人と対等に話せる自信がない
3.委員になったらさらに彼に夢中になり、勉強できない
4.委員を断ることで、クラスの中で孤立してしまう
竹田「・・・・・・。はい、これで間違いありません。」
おさむ「僕もよくあるんだけど、頭の中であれこれ考えていたら、堂々巡りになっちゃうんだよね。だから、こうして書いてみるとすっきりとするんだ。みてごらん・・。書き出してみると、悩んでいる項目の関係がよく見えてくるんだ。一度に解決は無理だから、一つ一つ考えて見ようね。」
竹田「はい・・・・・。」
おさむ「まず1番は、誰もが持つ悩みだからおいておいて、2番。対等に話せる自信がないってどいうこと?みきちゃんは、かわいいし、頭もいいって聞いたよ。」
竹田「いいえ、そんなこと絶対ないです。私なんて、必死に勉強して、なんとか授業についていってるのに、彼なんて部活もしながらいつも上位の成績をとっているんです。だから・・・。」
おさむ「うふふふ。わかるな〜。実は、僕もそんなコンプレックス持ってたんだ。僕なんて運動できないから、勉強では絶対負けないって思ってたんだけど、クラブしてても賢い人は賢いんだよね。いたいた。だから、ここだけは譲れないって必死に勉強したんだよ。テストの前だったかな、たまたまね、図書館にいるとその彼が僕に数学の問題を聞いてきたんだ。それから、彼と仲良くなってね。実は、彼もとっても負けず嫌いでね、クラブしてるから勉強できなくてもいいっていうのは間違ってるって。だから、いつも僕をライバルと思って勉強してたんだって。その時は、とっても驚いたよ。彼は野球部のキャプテンをしてたし、頭もよかったから雲の上の存在だと思ってたんだけど、実は、とっても気さくないい奴だったんだよね。そういう事ってない?思っていた印象と全然違うって。」
竹田「あります、あります。あ・・・・・。」
おさむ「そう、わかった?竹田さんは、自分の中で彼の像を大きく造りすぎているんだ。きっともう少し会話をしてみれば、彼の本当の姿が見えてくると思うんだ。」
竹田「それは、ちょっとあるかも・・・。」
おさむ「では、次の3番。委員になるとさらに夢中になり勉強が手につかない。これって、委員にならなくても、勉強は手につかないと思うよ。それなら、委員になっちゃえば。うふふふ。」
竹田「もう〜。そんな簡単に言わないで下さいぃ。」
おさむ「もし委員になっちゃえば、4番のクラスから孤立することもなくなるし、解決だね。」
竹田「だから・・・。わかりました、もしですよ、もし、私が委員になり、彼に夢中になるけど、クラスの関係もよくなりました。けど、私ずっと勉強できないじゃないですか・・。それは、困ります。」
おさむ「いい方法があるじゃない。」
竹田「何ですか?」
おさむ「彼に勉強を教えてもらえばいいんだよ。」
竹田「えっ?」
おさむ「男はね、女の子から勉強教えてって言われて絶対悪い気はしないよ。しかも、聞くとなると、それなりに勉強してわからないところを見つけておかなくちゃいけないでしょ。勉強に、恋は禁物っていうければ、僕はあってもいいと思うんだ。それを、プラスの方に持っていけばいいんだよ。いいじゃない、委員会の後なんて聞くのにいいチャンスだよ。勉強できるし、彼のことをもっと知れるし。」
竹田「もう〜、おさむさんはそんな簡単に言うけれども・・・。」
おさむ「あ、ごめんね・・・。人の事となると、アドバイスはできるんだけど、いざ自分の事となると難しいよね・・・。」
竹田「・・・・・・・。でも、ありがとう。今まで、恋と勉強は絶対敵通しって思っていたから、こんな考えできなかったんだよね・・・。今晩お風呂でゆっくり考えてみるね。。ありがとう、お兄ちゃん。」
おさむ「くぅ〜〜〜何度聞いてもいいね〜〜。いつでも、相談にのるからね。」
竹田「は〜〜い。ありがとうございました。」
・・・ダダダダダダ・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・次の日の午後・・・
みき「こんにちは〜〜!」
おさむ「あ、みきちゃん、こんにちは。学校は終わったの?」
みき「はい!あ、聞いて聞いて。今日ね、昨日言ってた竹田さんが委員になってくれたの。しかも、自ら進んで。」
おさむ「へえ〜〜。よかったね〜〜。」
みき「はい、昨日とは打って変わって別人のように明るくなちゃって・・・。何かあったのかな〜〜。」
おさむ「さあ〜。ほら、言うじゃない、女心は秋の空って。」
みき「あ、そうかも。。ああ、うらやましいな〜。かわいくて、勉強もできて、何か、ますます磨きがかかったって感じで・・・。」
おさむ「大丈夫大丈夫。みきちゃんも、竹田さんに負けないくらいの、いい女の子だよ。」
みき「ま、おさむさん、ありがとう!!・・・・・あれ?おさむさん、竹田さんって知ってるの?」
おさむ「あ、え、いや・・・知らないけど・・・。何となくね・・・。」
みき「ふ〜ん・・・。うふふふ、おさむさんてあい変わらず面白いね。もうすぐ体育際だし、私もがんばっちゃおうかな〜〜!!!」戻る