第130回(11/11) 〜 誰のためにがんばる?〜    毎週月曜夜更新  

なみ「もうすぐ冬だね〜。朝は起きづらくなるし、静電気はくるし、乾燥肌になるし。やっぱり夏はいいね〜〜。」
さとし「あれ?なみさん、ちょっと前までは、夏は暑いし、汗かくし、水ぶくれするし、冬がいいね〜〜って言ってませんでした?」
なみ「うん?そんな事言ったかな・・・。カエルも人もわがままにできてるってことかしら?」
さとし「アハハ、それ言えてますね。俺も、もうすぐセンター試験があるから、勉強勉強勉強で。どれだけ、勉強の無い国に行きたい!って思ったことか。」
なみ「あ、そっか。もうそんな季節なんだね。どう?しっかり勉強してる?」
さとし「ここ1ヶ月前まではちゃんと勉強してたんだけどね。」
なみ「1ヶ月前まで??今は?」
さとし「う〜ん・・・していないことはないんだけど、以前程はしていないね・・・。」
なみ「もう勉強する事がなくなっちゃったとか??」
さとし「アハ、そんなのあるわけないじゃん。山のようにやらなくちゃいけない事はあるよ。でも、最近俺なんでこんなに頑張ってるんだろうって疑問をもつようになっちゃってさ。勉強しようがしまいが、いい大学いこうがいくまいが、あんまし関係ないような気がしてきちゃってさ。俺の実家酒屋やっててね、後を継ぐことになるだろうし、いいかなって思い始めちゃって。多分このまま勉強しなくても、ねらっている大学か、ワンランク下の大学にはいけそうだし。俺の考え間違ってるかな・・・?」
なみ「間違ってはないと思うよ。さとし君の人生だし、自分の生きたいように生きていけばいいと思うの。ああ、そうそう全然関係ないことだけど、さとし君って自分に自信ある?」
さとし「えっ?自信??う〜ん、そんなには、ないかな・・・。それが何か?」
なみ「この質問をね、アメリカと中国の生徒にした結果がね新聞に載っていたの。彼らの6〜7割が自信あるって答えたんだけど、日本人は、2割くらいだったの。国民性ってのもあると思うんだけど、やっぱり今の日本人って自信なさげなんだよね。自信を持つってね、すぐには無理なのね。コツコツコツコツと積み重ねた結果、ようやく手に入るものなのね。一つでも自信が持てると、必ず元気になるの。元気になると、いっぱいの人がその人の元気をもらおうと、周りに集まってくるの。その期待に応えようとさらに、頑張れるの。」
さとし「・・・・・・・・・。」
なみ「日本人ってね、頭は本当にいいの。なみ達の親の世代が頑張ってくれたおかげで、アジアの奇跡と言われるくらい発展したしね。」
さとし「何でそんなに頑張れたんだろう・・・。」
なみ「いろいろな要因はあると思うけど、戦後、いつも苦労している両親を見て育ったからだと思うの。早く稼いで親を楽にして上げたいってことが一番の要因かな。次は、子供達には、こんな苦労はさせないぞっていう気持ちかしら。ふたを開けてみると、理想の時代にはなったんだけど、頑張る理由を失った若者だらけになっちゃって・・・。」
さとし「う〜〜〜。」
なみ「結局ね、世間では頑張るのは自分を磨くためとか、なんとか言ってるけど、なかなかできないものなのよね。なみが思うに、人って人のためが一番頑張れると思うんだ。彼女のためなら、面倒な事でもできるでしょ。好きな人の趣味や好みに合わせるようにがんばるでしょ。好きな人が見てるだけで、体育祭や文化祭なんて一層はりきっちゃうじゃない。自分のためだけじゃちょっと難しいよね。さとし君なんて、もうちょっとやる気出したら、さらに磨きがかかってモテモテになると思うんだけどさ。」
さとし「あ〜、もうわかったよ〜〜。結局俺の考えは、間違ってるって言いたいわけでしょ。はあ〜〜、なみさんと話してるといつもやる気になっちゃうんだよな〜。おかしいな・・・。やっぱ、なみさんの持ってる人をやる気にさせるっていう才能も、いろんな努力をして得たんだろうね。ふぅ〜、俺もなみさんみたいに何かに自信もちたいな・・・。あいにく今は彼女も好きな人もいないから、なみさんに認められるようにとりあえず受験まで頑張ってみます。」
なみ「うふふ、その意気意気。よし、なみががんばったって認めたら、ここに来ている女の子紹介して上げるわ。いい子いっぱいいるのよね〜〜。うふ、さらにやる気になった?」
さとし「さ、こうしてはいられない!俺帰って勉強します!!!」(つづく) 戻る