第140回(2/10) 〜 チョコと歴史と動機 〜    毎週月曜夜更新   -バックナンバー-

おさむ「へえ〜、なるほど〜。ほお〜〜。」
アキラ「どないしたんや、元々変な顔がもっと変になってるぞ。」
おさむ「むっ、失礼な。」
アキラ「あははは、冗談や冗談。で、どないしたんや?」
おさむ「たいした事はないんだけど、もうすぐバレンタインでしょ。日本では、女の子が男の子にチョコレートを渡して愛を告白する日って定着してるけど、アメリカでは、反対に男の子が女の子に何かプレゼントを上げるんだって。」
アキラ「へえ〜。そうなんか。」
おさむ「でね、バレンタインの歴史についてちょっと調べてたんだけど。」
アキラ「ほうほう。」
おさむ「いろいろと説はあるんだけど、最も有力なのは、3世紀中頃に愛の大切さを説いたローマの司祭様が亡くなった日が起源ていうのかな。初めは、悲しむ日だったんだけど、徐々に若い人が愛の告白をしたり、贈り物をする日に変わってきたんだって。」
アキラ「へえ〜〜〜。」
おさむ「で、日本にその文化が入って来たのは1950年代。チョコレートメーカのモロゾフや森永がチョコを渡してみてはいかが・・・って広告を出したのがきっかけで広まったって。」
アキラ「なるほどな〜。チョコレートメーカに踊らされているわけか・・・。しかし、女の子にとってもそんな日があれば、告白しやすくなるし、男もなんやかんやゆうてうれしい。もちろん、もらえたらやけど。」
おさむ「まあね。」
アキラ「そうそう、これを見てくれ。」
おさむ「うん?何このグラフは??」
アキラ「ここ5年間、おいらのもらったチョコの数をグラフ化したものや。」
おさむ「ぷはっ!こんなの作ってるの!!あいかわらずまめだね〜。」
アキラ「もらった女の子リストも作ってるんや。人脈こそ宝やからな。」
おさむ「へえ〜〜・・・あきれるけど、その努力はすごいね・・・。うん?年々減ってきてるね・・。特に昨年は急激に減ってるじゃない。」
アキラ「うむ、そうなんや。時代の流れというか、不況というか、最近のおいら独自の調査では、女の子らは、本命にしか渡さへんらしんや。いわゆる義理チョコゆうんは、死語になりつつあるんや。」
おさむ「そうだね〜。義理チョコ代もバカにならないからね。しかも、男の子ってお返しの日にもあんまり返さないからね。」
アキラ「うむ。そうなんや。おいらもホワイトデイは面倒くさかったから返すんを怠ってたんや。ほなら、昨年のチョコの少ないこと!これには参った参った・・・。」
おさむ「減った原因はそれが一番あるんじゃないの??」
アキラ「うむ・・・。そうかもな。。やから今年は恐れとんや。もしかしたら一桁代に突入するかもって。やけど、おいらもそんなバカちゃう。密かに1ヶ月前からチョコ運動してるんや。」
おさむ「はあ・・・・。本当にまめだね・・・。別に、あいちゃんからの本命チョコ1個でいいじゃん。」
アキラ「アホか!男たるもの本命はもちろん欲しいけど、義理も欲しいや。ううう・・・万年0個か、もらえても1個のおさむには、わからんやろな・・・ううう・・。」
おさむ「はあ〜〜つき合ってられないや・・・。」
なみ「何このグラフ??」
アキラ「お、なみ吉やないか。今年もチョコ頼みます。」
なみ「うん?何言ってるの?確か、去年のお返し、アキラからはなかったよね〜〜。」
アキラ「え・・・・そ、そうやったかいな・・・・。」
なみ「おとどしも・・・。」
アキラ「う・・・、今年は必ずします!お願いします。。」
なみ「本当かな・・・。」
アキラ「もちろんです!!チョコに誓います!」
なみ「わかったわ・・・。じゃあ、今日の洗い物と洗濯はしておいてね。」
アキラ「はっ!!かしこまりました。行ってまいります!」
・・・ダダダダダダダ・・・
なみ「本当に単純なんだから・・・。」
おさむ「まったく・・・。でも、なみちゃん、よく去年の事なんて覚えてるね〜。」
なみ「当たり前じゃない〜。別にね、お返しが欲しくてチョコを上げてるわけじゃないんだよ。おいしいとかありがとう〜とか言ってもらえたらそれで満足なの。手作りだし、そんなに自信ないからね。でも、やっぱりお返しをもらうと、うれしいし、その事はずっと覚えてるものなの・・・。一瞬でも自分の事を考えてくれてたんだな〜って。なみは、そう思うの。だから、毎年、おさむやアキラや商店街のおじさん達にも上げるのよ。もちろんおばちゃん達もね。きっと同じように感じてくれてるって思うから。」
おさむ「なるほど、自分の事を一瞬でも想ってくれてるってわかるとうれしいんもんね・・・。うう・・・・。なみちゃんみたいなカエルがいるから、ローマの司祭様も満足してるだろうな・・・。」
なみ「ローマ???」
おさむ「い、いや、こっちの話だよ。。アキラに聞かせて上げたいよ・・。といっても、100万回言っても理解してくれないんだろうだけど・・・。」
なみ「うふふふ・・・まったくね・・・・・。」(つづく) 戻る