第151回(10/13) 〜 まどかの結婚話 前編〜    毎週月曜夜更新   -バックナンバー-

・・・ガラガラガラ・・・
なみ・アキラ・おさむ「こんばんは〜。」
まどか「あら、いらっしゃーい。3匹そろってくるの久しぶりね。」
アキラ「そうやったかいな。いっつも来てるような気がするんやけど。しかし、相変わらず込んでるな。みーんなまどかさんねらいなんやろうな。」
なみ「ほんと、まどかさんいっつもきれいだよね〜。どうしたらそんな風になれるのかしら?」
アキラ「なみには無理や。第一もっとやせなあかん。」
なみ「ムッ!そんな事言われなくてもわかってますーだ!!」
おさむ「まあまあ、喧嘩しに来たわけじゃないんだから。明日から連休だしパーッと飲もうよ。パーッと。」
まどか「ウフフフ、相変わらず仲良しねぇ。はいどうぞ。」
アキラ「よ〜し、それでは、これからのカエルが占う部屋の発展を祈って、かんぱ〜い!」
おさむ・なみ「かんぱ〜い!!」
アキラ「ゴクゴクゴク・・・ぷは〜っ・・やっぱりビールは生に限るわ。」
なみ「うんうん・・・。おいしいね〜〜。仕事後のお酒は最高だね。生きてるって感じがして。」
おさむ「また、この枝豆がまたおいしいこと。嫌なことも全て忘れちゃうね。」
アキラ「おさむも失恋したからって落ち込んでる場合ちゃうで。ガンガン攻めな。ガンガンと!」
おさむ「いや、だから失恋してないって言ったでしょ。(詳細は前回を見てね)」
なみ「あれ・・・?まどかさ〜ん。」
まどか「なあに?なみちゃん」
なみ「あの壁に掛かってる絵って、前々からあったかしら?」
おさむ「本当だ。大きな木の傍らにネコが気持ちよさそうに寝そべってるね。なんだか温かい空気に包まれてる・・・。」
アキラ「ホンマやな。不思議な絵やな〜〜。見てるおいらも幸せになってくるわ。特にあのネコの気持ち良さそうな顔が。」
まどか「ウフフフ・・・これいい絵でしょ。ずっと前に旦那さんが描いた絵をプレゼントしてくれたんだ。」
アキラ「え!!!あのゴツイ旦那が!!これを!!」
おさむ「おいおい、アキラ失礼だよ!」
なみ「そうそう!!」
まどか「いいのよ。私もそう思うから。ウフフフフ。」
アキラ「あ、ほんまや、近くでみるとここにサインがついてる。うん・・・日付も入ってるで。1994年ゆうたらかれこら9年も前やな!まどかさんが結婚したんが、7,8年前やからまだ恋人やった時にもらったんやな。」
なみ「こんなプレゼントをくれたらキューンってなっちゃうね。いいな〜。」
まどか「実は、それをもらったのつき合ってた時じゃないわよ。」
アキラ「あ、なるほど。告白の時に一緒に絵を上げるってのも悪くないな。」
まどか「違う違う、別れた後だよ。」
アキラ・おさむ・なみ「えーー!!!」
アキラ「なんやそれ!?一回別れたけど、またくっついたってことか!!」
まどか「そうね〜、そういうことになるのかな。もうかれこれ10年前のことだよ。今の旦那から猛烈なアプローチを受けてね。私も若かったから、もっとかっこよくて、頭がよくて、お金持ちの人が理想だーって宣言してたの。そこへ、あの人でしょ。いったら正反対。ゴツゴツしてて、頑固で、どうみてもお金を持ってる風には見えない。断っても断っても、何度も何度も強引におされてね。断るのに疲れはてたから、もういいやと思って軽いおつきあいを始めるようになったの。」
アキラ・おさむ・なみ「ふむふむ」(つづく) 第152回(10/27) 〜 まどかの結婚話 後編〜    毎週月曜夜更新   

まどか「強引に押し切られてつきあったわりには、とっても楽しかったの。優しくて、私のわがままも笑顔で聞いてくれて。もちろん、たまにはしかられたけど。それから、半年、1年すぎて、このままでもいいかな〜って思ってたの。」
なみ「結婚してもいいってことですか?」
まどか「そうそう。でも、やっぱり心の奥では葛藤があったの。それが表面化したのは、つきあってちょうど1年3ヶ月目のある日。彼と街を歩いてると、偶然高校の同級生と出会ったの。その子とは、特別親しかったといわけじゃなかったんだけど、とても懐かしくてね。昔話をしているところに、友達の彼が来たの。するとこれがまた、かっこいいのよね〜。」
なみ「きゃー!まどかさん、ミハー。」
まどか「そうなのよ・・・本当に若かったわ。今考えるととても恥ずかしいわ。結局それが、原因で彼に別れを告げたの。。」
なみ「えー!!!」
アキラ「も、もしかして、もっとかっこええ奴とつき合いたいとか言って?」
まどか「もう、そこまで言わないわよ。でも、心の底ではそう思ってたわ。。ウフフフ・・ちょっと見損なったでしょ。」
なみ「ううん、反対にまどかさんに親近感わいちゃった。まどかさんも、そんな一面あったんだな〜って。だって、まどかさんは、初めから心を見てるカエルだと思ってたから、なみとは全く違う存在なんだなって思ってたんだ。」
アキラ「いや、ホンマやで。だいたい、まどかさんみたいな美人にあの旦那やろ。どう考えても内面重視やろうし、どうやったらそんな見れるんかおいらも感服してたんや。」
おさむ「だから、失礼だってば!」
まどか「私だって普通のカエルだよ。ただ、あなた達よりちょっとだけ年上ってことが違うかな。でね、それからすぐにおつき合いを申し込んできたカエルがいたの。バッチリ私の条件を満たしていたから即OKだしたの。」
アキラ「さすが・・・もてるな・・・。」
まどか「初めの3ヶ月は楽しかったわ。優しくしてくるし、街を歩いていても、彼氏自慢できるし、彼氏を含めて友達ともよくご飯を食べに言ったわ。その頃かな・・、あの絵が届いたのは。大きな木の下にネコが気持ちよさそうに寝ころんでるのよね〜。いい絵だな〜、と思ってとりあえず部屋に飾っておいたの。特にその時は返事もしなかったと思うわ。そしてさらに3ヶ月が過ぎたとき、デートしてても楽しくなくなってきたの・・・。彼は優しいし、気もきくし、会話もできる。でも、デート中になぜか寂しくなったの。」
なみ「なんとなくわかる気がするかも・・・・。」
まどか「家に送ってもらった後、なんでかな〜、最近疲れてるのかな〜、と服を着替えてる時に、強烈に惹かれたのがその絵なのよね。その時、今まで忘れていた旦那の言葉が頭に響いてね。”俺はいつでも同じ場所にいる大きな木なんだ。誰もが疲れた時に休みにきてくるような。まどかは、まるでネコのようだもんな。興味があるところへふら〜って出かけては、いつの間にか戻ってきて気持ち良さそうに寝てる。不思議な存在なんだよ。でも、いつでも戻ってくると俺は思ってる。だから、ここでずっと立ってるんだ”って・・・。今考えるとプロポーズの言葉?なんて思っちゃうけど、その時は彼酔ってたし、軽く聞き流したと思う・・・。でね、その絵を眺めている内に、涙が止まらなくなって、声を出して泣いちゃったわ。え〜ん、え〜ん・・・って。」
なみ「グス・・・・・。」
まどか「その後すぐタクシーを飛ばして、彼のアパートに行ったの。階段を駆け上がり、チャイムを鳴らしたの。でも、彼は出てこなかった。もう!どこ行っちゃったのよ!って叫んでたら、”銭湯くらいゆっくり行ってもいいだろ”って階段を上がってくる彼が見えたの。カンカンカンカンっていう足音と一緒に。その時、本当に全身が震えたわ・・。私の居場所はここなんだってね。」
アキラ「うむ・・・ええ話すぎる・・・。」
まどか「後は、トントン拍子ね。もう迷う必要はなかったから。」
おさむ「うう・・・。感動して涙が出ちゃったよ。まどかさん、みたいなカエルがいるから僕もがんばれるんだよね。内面が大切だよね。」
まどか「そうだね。でも、おさむくんは外見も悪くないわよ。」
おさむ「え、い、いや・・そんな・・・え・・・・。」
アキラ「アホや!おさむが赤なっとる。アハハハ。でも、これでおいらも納得する事ができた。なんでまどかさんにあの旦那か。だいたい、あの筋肉はなんや。ビールケース片手で持ち上げとるし。しかもあのヒゲ面。まさに美女と野獣とはこの事やな・・・・。なんや、みんなそんな青い顔して。」
おさむ「き、きっとアキラが後ろを向けば、一番あ、青くなると思うよ・・・・。」
アキラ「あん?・・・・・・ぎゃーーー!!!!!」
旦那「こら!アキラ!ヒキガエルにされたいのか!」
アキラ「ぎゃーー!!!ごかんべんを!!!」
まどか「今日は早かったのね?」
旦那「もちろんさ。そのまま家に帰ろうかと思ったんだけど、外から3匹が見えたもんだからな。どうせ、こんな話題で盛り上がってるって思ってた。」
まどか「一杯飲んでいく?」
旦那「いいや、帰ってする事があるから。じゃあ、なみちゃん、おさむ、またな。」
なみ・おさむ「はーい。」
旦那「その物陰に隠れてる奴もな。」
・・・カラ〜ン・・・
アキラ「うう・・・何度見ても恐い・・・。」 なみ「アキラがそんな事言ってるからでしょ。」
おさむ「そうだよ。まったく・・・。でも、旦那さん家に帰ってからも仕事するんだね。大変だね。」
まどか「お仕事じゃ、ないわよ。今日は、結婚記念日なの。その準備をしてくれてるのよ。」
アキラ・おさむ・なみ「ほーー。。」
なみ「おめでとうございます。今の心境は?」
まどか「とーっても、幸せ。あら?ちょっとのろけすぎちゃったかしら・・・ウフフフフ。」(つづく) 戻る